著者
小根山 裕之 新倉 聡 柳原 正実 大口 敬
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.269-274, 2020-05-01 (Released:2020-06-13)
参考文献数
8
被引用文献数
2

信号灯器位置の違いによる運転挙動の違いを実車実験により実証することを目的に,東京大学柏キャンパスの生産技術研究所(当時,千葉実験所)の試験走路を用いて,far とnear の信号灯器位置の違いによる運転者の挙動の違いを実証分析する.青信号表示終了時の切替り時の通過・停止の判断は,far に比べてnear では停止線から離れていても通過を判断し,最終通過時刻が遅くなること,青信号表示開始時の発進挙動に交差側信号表示の視認性による違いが見られること,および,青信号表示終了時に対応直進車両の停止を確認後の右折挙動では,near の右折開始がfar より1 秒ほど遅いことが確認された.
著者
新倉 聡
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.153-160, 2007 (Released:2011-01-21)

アブラナ科野菜における生殖形質の遺伝学的研究とその育種への展開。イネやコムギは世界的に見て、主食となる穀物であることに疑いはない。しかしヒトは主食を摂るだけでは、健康的でかつ文化的な食生活を送ることができない。現在世界中には数百種の野菜が存在し、副食として欠かせないものとなっている。その農業生産的側面としては、国内をとってみても、野菜作付け面積ではダイコン、キャベツ、ホウレンソウ等を筆頭に、多くの作付けが為されている。その中でアブラナ科は300属3000種から成る重要な作物種であり、Brassica napusに属する油糧用ナタネ、世界中で栽培されB.oleraceaに属するキャベツ、ブロッコリー、主に東アジアを中心に利用が為され多くの在来品種が発達している、B.rapaに属するハクサイ、カブ、ツケナ類ならびにRaphanus sativusに属するダイコン等約40種が特に重要品目として挙げられる。
著者
新倉 聡 松浦 誠司
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.211-220, 1999-12-01
被引用文献数
2

日本における栽培ダイコンの採種関連形質に関して遺伝的変異を知る目的で, 在来品種を中心に23品種群219系統を用い, 自家不和合性遺伝子S, 自家不和合性程度ならびに一莢粒数を調査した.検定交配ならびにPCR-RFLPによりS対立遺伝子はS^<201>〜S^<237>の37種類が同定された.S対立遺伝子の種類から供試品種群の類別を数量化理論IV類からの主成分分析より試みた結果, 形態形質や古来の地理的分布により従来類別されている品種群との対応は認められず, S遺伝子は日本の栽培ダイコン系統分化に対してほぼ中立であったことが示唆された.自家不和合性程度は, 人工開花自家受粉を行った交配花数あたりの結実莢数, すなわち自殖結実率で評価した.供試系統には0%から100%までの遺伝的変異が認められたが, 品種群間の差は認められなかった.また蕾受粉における一莢粒数では, 0.9〜6.2粒までの遺伝的変異が認められた.なお, これら3形質間には相関関係は認められなかった.以上の結果を基に, ダイコン遺伝資源における採種関連形質評価の重要性と, これら形質の選抜上の留意点について考察した.
著者
新倉 聡 佐々木 将士 藤森 成一
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 電子情報学部 (ISSN:13472666)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.77-82, 2005-09-30
被引用文献数
1

近年では、パソコン、インターネットの普及に伴い、個人でも手軽にネット証券などで株式売買ができるようになり、さらに、売買手数料の値下がりは、個人投資家の増大傾向を誘っている。一方、株式予測は、ニューラルネット、カオス、フラクタルなどの新しい概念をもとに予測研究が盛んに行われており、特にニューラルネットによる予測が一般に行われている。それらの予測は、いずれも数値データをベースとした予測方法であるため、知識データベースからの、売買予測も必要である。このため、本研究では、株式売買シミュレーションモデルを論理プログラミング言語の1つである、Prologを用いて行った。論理プログラミングでは、問題領域における知識として、事実及び規則の表現が基本であり、結論は、これらの知識と推論を用いて、論理的に導かれる。そこで、本研究では、これらの初歩的取り扱いとして、いくつかのテクニカル分析を株式売買に関する必要知識あるいは規則として用い、株の買い、売りを論理的側面から判定し、利益をあげる事ができるかどうかの予測可能性について検討した。即ち、従来の、株価データから、市場予測で使われるテクニカル分析の中短期の予測に適しているオシレーター系のストキャステイクス(STC)とワコーボリュームレシオ(WVR)、チャート分析のゴールデンクロス(GC)等の指標を、事実あるいは、規則として捉え直し、短期間の売買シミュレーションを行ない、日足による短期間売買において利益獲得を実現するシミュレーションモデルを研究した。本研究では、買い先行のみの売買をシミュレーションしている。