著者
松原宏和 新妻弘崇 太田学
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-9, 2014-11-11

ニコニコ動画や YouTube といった有名な動画共有サイトには膨大な動画が投稿されており,動画のあらすじは興味のある動画を効率よく探すために視聴者にとって大変有益である.そこで本稿では,動画の画像特徴量とコメントを用いて動画の重要場面を検出し,要約サムネイルを生成する手法を提案する.提案する動画要約手法の特徴は,画像特徴量の変化に基づいて検出した各シーンの動画をコメントに基づいて分類し,さらに各シーン中で最も盛り上がる場面のサムネイルを抽出する点にある.これにより,動画内容を網羅しつつ,視聴者が盛り上がる場面を抽出する.評価実験により提案手法の有効性を確認する.
著者
新妻 弘崇 プラサンナ・ランガラヤン 金谷 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.55, pp.1-8, 2010-01-14
参考文献数
20
被引用文献数
1

2 画像の対応点から射影変換を計算する高精度な解法を提案する.最尤推定に基づく方法は理論的には最適であるが,反復を要するため誤差が大きいと収束しないことがある.提案手法は代数的解法であるため反復なしに解が求まる.代数的解法には正規化の重み行列の自由度があることに着目し,これを 2 次の偏差項まで 0 になるように定める.シミュレーションにより,これが最尤推定に匹敵する精度があり,精度の理論限界 (KCR 下界) をほぼを達成すること,および計算を簡略化する 「Taubin 近似」 を行っても同程度の精度であることを示す.最後に実画像によるパノラマ画像の生成を行い,提案方法によって精度のよい合成ができることを示す.We present highly accurate least-squares (LS) alternatives to the theoretically optimal maximum likelihood (ML) estimator for homographies between two images. Unlike ML, our estimators are non-iterative and yield solutions even in the presence of large noise. By rigorous error analysis, we derive a "hyperaccurate" estimator which is unbiased up to second order noise terms. Then, we introduce a computational simplification, which we call "Taubin approximation", without incurring a loss in accuracy. We experimentally demonstrate that our estimators have accuracy surpassing the traditional LS estimator and comparable to the ML estimator.
著者
新妻 弘崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.38-38, 2014-06-10

本研究ではScheme言語(R4RS)の部分集合からC++言語へ変換する手法Scm2Cpp11の提案と実装を行う.Scm2Cpp11の生成するC++プログラムには編集が容易である点と,高速なプログラムであるという2つの特徴がある.Scm2Cpp11では型推論やalpha変換といった高度な操作を行わない.単純なプログラムコードの文字列置換のみでSchemeからC++への変換を行う.たとえば(car x)はcar(x)に変換される.単純な変換であるため,生成されたC++のプログラムは変換前のSchemeプログラムとの対応が容易に分かるようになっている.生成されたC++プログラムは編集が容易なため,OpenMPを使った並列化等も容易に行うことができる.またScm2Cpp11の生成するC++プログラムは他の良く知られた多くのScheme処理系より高速であるという特徴がある.高速となる理由は,単純な変換とするために,オブジェクトがデータ本体以外の型情報や環境情報などの付加情報を省かれて変換されるからである.たとえばSchemeの整数変数はC++のint型変数に変換される.int型変数に変換されるため,他の環境情報などを変換後のオブジェクトに格納しない.もう1つの理由は,Scm2Cpp11の変換はC++のtemplateやマクロの機能を使って,C++のコンパイル時の前処理として可能な限りの処理を行おうとする点である.このために,コンパイル時に前処理された後の実行プログラムが高速となる.We propose and implement a translation method Scm2Cpp11 that translates from the subset of the Scheme language (R4RS) into C++ Language. Scm2Cpp11 has two advantages. The first advantage is that Scm2Cpp11 generates an editable C++ code. The second advantage is that Scm2Cpp11 generates a quite fast C++ program. Actually Scm2Cpp11 is just string replacement operator for programming code. Scm2Cpp11 does not include other operations like type inference alpha-conversion and so on. For example, Scm2Cpp11 translates (car x) into car(x). Thus finding correspondence between original Scheme code and translated C++ code is quite easy. Adding well-known C++ library's function, for example OpenMP parallelization feature, to the editable translated C++ is also quite easy. A C++ program Scm2Cpp11 generates is faster than many other well-known Scheme implementations. Scm2Cpp11 translates a Scheme object into a C++ object which holds only data body. The translated C++ object does not have any additional environment information. For example, Scm2Cpp11 translates a Scheme integer variable into a C++ integer variable. The additional information are processed as a preprocess when C++ code compiled. The preprocess is described using C++ template and macro techniques. That is the reason why Scm2Cpp11 can generate efficient C++ programs.
著者
中嶋勇人 新妻弘崇 太田学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.28, pp.1-6, 2013-11-19

近年,スマートフォンで位置情報付きの情報を発信することが増えており,その中には,旅行者にとって非常に有益な情報が存在する.本研究では,短文投稿サイト Twitter において,旅行者のツイートに頻繁に現れる特徴と,Foursquare と Instagram のサービスを用いて,観光ツイートを収集し,さらに旅行者のタイムラインから観光ルートを抽出した.収集した観光ツイートは,手がかり語や品詞の特徴から,「食事」,「景観」,「行動」 の 3 つに分類し,それを用いて,旅行者の好みに合わせた観光ルートを推薦する手法を提案する.実験では,収集した観光ツイートの精度と観光ツイートの分類の精度を評価し,抽出した観光ルートと推薦した観光ルートについて考察を述べる.
著者
尾﨑弘明 新妻弘崇 太田学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.14, pp.1-7, 2013-11-19

英語を母語としない日本人には英語の冠詞の適切な使い分けは難しい.そこで我々は,類型化した冠詞の用法に重みを付与することで,冠詞を含むフレーズの検索結果数と冠詞の用法を組み合わせたスコアを算出し,それを基に冠詞を修正する手法を提案した.しかし,冠詞の用法と検索結果数を組み合わせて適切に冠詞を判断することは難しく,改善の余地があった.そこで本稿では,検出した冠詞の用法と検索結果数を素性として機械学習により冠詞を判別する方法を提案する.また実験により,両手法による冠詞誤りの修正性能を比較する.
著者
新妻 弘崇 石井 信 伊藤 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.2375-2384, 1999-12-25
被引用文献数
2

本研究では,ニューラルネットワークに基づく新しい組合せ最適化問題の解法を提案する.特に2次割当て問題に対して適用する.本手法は,順列のλ個の要素を同時に入れ替えるλ-optヒューリスティックスのアナログ版とみなすことができる.λの値として中程度の値を使うことができるため,中距離サーチを実現できる.この中距離サーチは,浅い局所最適解を乗り越えることができる.比較的大きな(N=80∼150)2次割当て問題に対してこの手法の計算機実験を行った結果,我々の新しい手法は今までのチャンピオンのアルゴリズムと同程度に良い近似解を計算できることがわかった.また,二つのべンチマークについては,現在のチャンピオンのアルゴリズムよりも良い解が計算できることがわかった.
著者
芝山 敏満 新妻 弘崇 伊藤 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.534, pp.13-18, 2001-12-14
参考文献数
8

本研究では, サポートベクターマシンを使って二人ゼロ和複数期間ゲームの価値関数を学習する上で, 学習データ数が多い場合に従来よりもメモリ使用量の少ない学習法を提案する.我々は以前に, 強化学習における価値関数をカーネルトリックを使って近似的にバッチ学習する手法を提案した.この手法を使うと価値関数を, より少ないメモリーで表現することができた.しかし, この手法を学習データ数の多いタスクに適用すると, 計算の途中過程で, 非常に多くのメモリが必要になるため, 学習データ数の多いタスクに適用させることは困難であった.本研究では, 追加学習が可能であるインクリメンタルサポートベクターマシンを用いて価値関数を学習することでメモリ使用量を減らす手法を提案する.また, この手法によってオンライン学習が可能となる.本研究では, この手法をTic-Tac-Toeに適用し, その有用性を示す.