著者
竹内 正之 池田 朋宏 新海 征治 田中 裕行 川合 知二
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63, 2007

走査型プローブ顕微鏡を用いた実空間可視化・分光手法は、ナノテクノロジーやナノバイオロジーなど様々な研究分野において重要である。我々は、加熱蒸着できない分子の蒸着手法としてパルス噴霧法を開発することにより、DNAやポルフィリンなどの巨大分子の高分解能可視化および1分子分光を行ってきた。今回、界面に2次元結晶を形成することで知られているダブルデッカーポルフィリン錯体およびトリプルデッカーポルフィリン錯体のSTMによる高分解能STM可視化および分光を行ったので報告する。
著者
三好 賢太郎 上江洲 一也 櫻井 和朗 新海 征治
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.451-457, 2006 (Released:2007-09-21)
参考文献数
25

地球上に豊富に存在する天然多糖の一つにβ-1,3-グルカンがある. この多糖は3重らせん構造をとり, その構造は水素結合によって安定化することが知られている. 近年, この多糖と核酸が特異的な高分子複合体を形成することが発見された. 本報では半経験的分子軌道法 (MOPAC) を用いてこのβ-1,3-グルカン/核酸複合体の構造検討を行った. その計算結果から, 複合体中において核酸鎖はβ-1,3-グルカン鎖の還元末端側に3'末端側が配置され, らせんの巻き幅が拡張していることがわかった. 一方, β-1,3-グルカン2重鎖には大きな構造変化は見られなかった. また, この複合体はβ-1,3-グルカンの2位のヒドロキシル基と核酸塩基との間で水素結合を形成し, 安定化していることが示唆された.