著者
石垣 長健 新里 孝和 新本 光孝 呉 立潮 Ishigaki Choken Shinzato Takakazu Aramoto Mitunori Wu Lichao
出版者
琉球大学農学部
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
no.54, pp.23-27, 2007-12
被引用文献数
1

近年、イノシシ肉はグルメブーム、観光ブーム、村おこしブームなどにより商品化が高まりつつある。西表島におけるリュウキュウイノシシと餌資源である森林植物との関係、解体および利用方法を明らかにし、将来的に持続可能な狩猟を行い、食用資源としての需要を図ることを目的とした。調査の結果、西表島のリュウキュウイノシシはドングリ(イタジイ、オキナワウラジロガシ)などの堅果類を好み、その他主に植物性のものを採食し、餌資源植物には30種あることがわかった。イノシシ肉は、採食する餌の種類、季節により肉質に違いがみられ、旨味は脂肪の量に関係し、特有の臭さは血にかかわりがあると考えられた。
著者
新里 孝和 諸見里 秀宰
出版者
琉球大学農学部
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
no.19, pp.503-557, 1972-12

In the present paper history, location (northern part of Okinawa Is., Latitude N. 26°45′and Longitude E. 128°05′), area (about 679ha.), topography and climate ofYona experimental forest of University of the Ryukyusare given in brief description. As the result of a survey on the basis of six quadrats and six belt transects, it was recognized that forest vegetation of the experimental forest is mostly consists of Castanopsis sieboldii association, and the most frequent co-dominant species is Distylium racemosum The number of family, genus and species (among the number 4 subspecies, 21 varieties and 4 forms are included) of the trees and shrubs indigenous to the experimental forest are 58,121 and 191 respectively.
著者
新本 光孝 新里 孝和 安里 練雄
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.琉球列島総合植物目録及び特定植物群落目録の作成沖縄県の島嶼の沖縄島,宮古島,石垣島,西表島を対象に,既往の著書・報告書を用いて植物分布の差異を明らかにし,さらに,特定植物群落の分布の特性を類型化し、それぞれ「琉球列島総合植物目録」、「特定植物群落目録」としてデータベース化をはかった。2.沖縄島、石垣島、西表島の天然林の資源植物分類各調査地に出現した全植物について、資源植物分類を行った。利用率が高いのは木本植物で、I類では幹の部分がよく利用されている。II類は防風防潮林、屋敷林、公園樹、庭園樹などに利用される木本植物も多い。末経済植物の比率は草本植物、シダ植物で高かった。3.沖縄島北部における天然林固定試験地の森林遷移森林・林分の遷移は3プロットの1980年、1995年、2005年の毎木調査結果に基づき分析を行った。3林分とも本数は減少傾向にあるが、林分材積は全体的には増加傾向にあり,出現樹種は樹種により消滅・新加入の入れ替わりはあるが樹種数に大きな変化はなかった。イタジイはどの林分でも主体をなしており、経年的に本数は減少しているが材積は増加している。4.亜熱帯林の非木材林産物資源としてのリュウキュウイノシシ西表島におけるイノシシ猟は、圧し罠猟,イヌ猟,ハネ罠猟,銃器猟と変遷している。現在は,ハネ罠猟が普及している。ハネ罠猟ではシマミサオノキ他20種の弾力性の強い樹種が利用されている。猪垣は,石塁や斜面掘削,木柵などがあり,石塁の材料には砂岩,サンゴ,木柵にはサガリバナが利用されている。持続的なイノシシ猟を行うためには、島の生態系の維持・環境保全を考慮することが重要であろう。