著者
日臺 健雄
出版者
和光大学社会経済研究所
雑誌
和光経済 = Wako Keizai (ISSN:02865866)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2.3, pp.77-87, 2022-03

In this paper, we explore the process of legalization of“ Kolkhoz market” in the early 1930s’ Soviet Union. Under the food ration system, food supply for urban workers had worsened, and some workers even held large demonstration against the Stalin regime. Then, in May 1932, Politburo decided to legalize the free market by collective farms (Kolkhoz) and collective farmers (Kolkhozniki), which we call “Kolkhoz market”. Later, the policy change by Stalin administration starting from the legalization of Kolkhoz market was called “Neo-NEP”. Soviet collective farmers were severely repressed by the Stalin administration, and after the legalization of Kolkhoz market, some economic benefits were gained by the farmers, but it was not essential one.
著者
日臺 健雄
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1_19-1_31, 2015 (Released:2015-01-27)
参考文献数
36

近年,ロシアや中国など新興国の経済発展を「国家資本主義」概念を用いて分析する研究が増加しているが,そこでは理論的な検討が不十分なままに当該概念が用いられる傾向にある.本稿では「国家資本主義」概念について,経済理論として初めて用いたヒルファディングから,革命後のロシアに適用したレーニンを経て,発展途上国に適用した日本の「国家資本主義論」学派に至る理論的な系譜を,学説史的な観点から概観していく.
著者
日臺 健雄
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア動向年報 (ISSN:09151109)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.23-36, 2019

<p>国内政治面では,大統領選挙でプーチン氏が再選され,2024年までの通算4期目の任期に入った。</p><p>経済面では,原油価格の上昇により1%台ながらもプラス成長が継続し,連邦政府の財政も収入の増加と支出の抑制方針により黒字に転じた。</p><p>対外関係では,アメリカなど西側諸国による経済制裁が強化された一方で,ドイツやフランスとの経済関係やトルコとの経済・軍事関係を強化するなどによってそれに対抗している。日本との関係では,首脳会談が4回開催され,9月にプーチン大統領が平和条約の年内締結を唐突に提案するなどの動きがあった。中国との関係では,首脳の往来や合同軍事演習,北朝鮮核問題での共同歩調などで引き続き関係の強化がみられる。朝鮮半島との関係では,金永南最高人民会議常任委員長が来訪し,マトヴィエンコ上院議長が北朝鮮を訪問するなど,韓国の文在寅大統領のロシア訪問とあわせて,朝鮮半島情勢への積極的な関与がみられる。東南アジア諸国との関係では,主に安全保障面での関係強化がみられた。南アジア諸国との関係では,インドとパキスタンの両国とそれぞれ軍事演習を行い,アフガニスタン和平会議を主催するなど,積極的な政策が展開されている。</p>
著者
日臺 健雄
出版者
Japan Association for Comparative Economic Studies
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1_19-1_31, 2015

近年,ロシアや中国など新興国の経済発展を「国家資本主義」概念を用いて分析する研究が増加しているが,そこでは理論的な検討が不十分なままに当該概念が用いられる傾向にある.本稿では「国家資本主義」概念について,経済理論として初めて用いたヒルファディングから,革命後のロシアに適用したレーニンを経て,発展途上国に適用した日本の「国家資本主義論」学派に至る理論的な系譜を,学説史的な観点から概観していく.