著者
日野 英逸
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.317-342, 2021-03-05 (Released:2021-03-05)
参考文献数
118

教師あり学習において予測モデルの学習に利用する教師データ(ラベル)の取得に非常にコストがかかる一方,教師なしデータの取得が容易な状況が多く存在する.適応的にラベルを付与するサンプルを選択することで限られたコストで精度の高い予測モデルを得る方法論として,能動学習がある.本稿では能動学習の基本的な問題設定と,最近の研究動向を紹介する.特に,ラベル付けをするサンプルを選択するための獲得関数をデータから学習するアプローチ,能動学習の理論的保証,逐次的なデータ取得の停止基準に関する研究を紹介し,さらに材料開発や物質の計測の効率化への応用事例を紹介する.
著者
宮本 英昭 石上 玄也 田中 宏幸 尾崎 正伸 日野 英逸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

数値計算とデータ解析により火星表面は水平方向に飛来するミュオンが地球上より多く存在し,ミュオグラフィが適用しやすいことを確かめた.ピンゴ状地形の内部氷コアをモデル観測シナリオとして,30日程度で観測可能となる超小型ミュオグラフィ装置を設計し,この原理実証モデルを開発した.地上の3地点で5週間に渡り実証試験を実施し,開発した装置が十分な精度で密度構造を計測可能なことを確かめた.3年と短い研究期間であったが,世界発の宇宙版ミュオグラフィ装置の原理実証機の作成と運用,さらに火星で運用するための移動手段の開発・運用に成功し,予定以上の大きな成果を得ることができた.
著者
沈浩洋 日野英逸 村田昇 若尾真治
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MPS-86, no.15, pp.1-6, 2011-11-24

太陽光発電,風力発電,及びコジェネレーションシステム (熱電併給システム) は,家庭の発電手段として実用化され,導入が進んでいるが,これらの発電手段にはそれぞれ長所と短所がある.実際にこれらの発電手段を導入する際には,家庭の電力消費パターンに応じて発電システムを最適に組み合わせる必要がある.本研究では,家庭の電力消費量の典型的なパターンを抽出する手法を提案する.一日の電気消費量を混合正規分布でフィッティングし,一般化 KL 情報量を用いて家庭の電力消費データを一日単位でクラスタリングする.Annex42 データセットを使い,提案手法により電気消費量の典型的なパターンを抽出できることを示す.
著者
日野 英逸
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010-07

制度:新 ; 報告番号:甲3157号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2010/9/15 ; 早大学位記番号:新5440
著者
三浦 和起 日野 英逸 村田 昇
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-6, 2010-12-09

時系列の予測は古くからある重要な問題であり,特に株価の予測は経済動向の予測や資産運用の指針として需要が高い.コンピュータ性能の発達と共に,学習理論を用いた経済時系列データに関する研究が活発に行われているが,株価のメカニズムを捉えることは依然として困難な問題である.本稿では,単一の予測モデルにより株価を一点で予測するのではなく,複数の予測モデルの学習を行い,各モデルに適切な重みを付けることで予測値の分散を低減する手法を提案する.基礎となる予測モデルは遺伝的プログラミングを用いて構成する.各予測モデルの重みは,学習用データと予測モデルの出力値とのクロスエントロピーが最小となるように定める.提案した予測手法の有用性を,人工データ及び日経平均株価の 1 分足の予測によって検証する.Prediction of time series data is a long standing important problem. Especially, prediction of stock price is much in demand for forecasting the economic trend and guideline for asset maintenance. Although there are growing number of studies on learning theory based time series prediction, the prediction of stock prices is still being very difficult task. In this study, the stock prices is predicted not only using one predictor, but using a set of predictors generated by the method of Genetic Programming (GP). Each element predictor is given non-negative weight, and the weight is optimized to minimize the cross entropy between the true learning stock prices and the weighted sum of predicted values. The proposed stock price prediction method is evaluated using both an artificial data and real-world stock price data.