著者
小川 眞紀子 山本 いず美 北畠 直文 早川 茂
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.144, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】希少糖D-プシコース(以下Psi)は、エネルギー値がほぼゼロのノンカロリー単糖で、保水性が高く、メイラード反応が進みやすいことから、食品素材として特にベーカリー食品への利用が期待されている。本研究では、ハードタイプのクッキーであるショートブレッド(以下SB)とソフトタイプのクッキーであるソフトクッキー(以下SC)にPsiが適しているか否かを、ショ糖とPsiとの配合割合を換え、物性測定と官能評価により検討することを目的とした。【方法】ショ糖のみをコントロール(C)とし、ショ糖に置き換えてPsiを10%(P10)、20%(P20)、30%(P30)に配合した4種類のSB及びSCを作製し、物性測定と官能評価を行った。物性測定は、高さ測定および破断強度を測定した。官能評価は、軟らかさ、しっとり感など10の評価項目についてSD法で官能評価を行った。【結果】SB、SCともに焼き色は、C、P10、P20、P30の順に濃くなった。高さは、SBはC、P10、P20、P30の順に、SCではC、P10、P30、P20、の順に高くなった。破断強度測定から、SBはPsiの割合が多いほど破断変形は有意に高くなり、破断応力は有意に低く、破断歪率は有意に高くなった。SBは、Psiの割合が多いほど脆くて軟らかい特徴がSCよりも顕著であった。官能評価の結果から、テクスチャーはC、P10、P20、P30の順に軟らかいと感じた人が多かった。総合評価では、いずれもCよりもP10とP20で高い評価となった。今回の結果から、ショ糖の1~2割程度をPsiに置き換えることで、物性的にも嗜好的にも好ましいクッキー様焼菓子を作ることが可能であることが示唆された。
著者
大島 久華 尾崎 由香 北窪 友佳 早川 茂
出版者
香川県産業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13465236)
巻号頁・発行日
no.14, pp.88-92, 2014-06

D-プシコースを用いた加工食品中の安定性を評価することを目的に,カラメル化反応およびメイラード反応に準じたモデル実験を実施するとともに,加工条件の異なる食品を試作し,各加熱条件におけるD-プシコースの濃度変化を調査した。D-プシコースは加工工程において低い温度,低いpHおよび短時間の加熱状態であった場合には安定であるが,高い温度,高いpHもしくは長時間の加熱を受けた場合には,着色を伴って減少することを明らかにした。