著者
関田 頼子 時田 佳代子 時田 純 西山 八重子 生田目 圭子 内田 加代子 久代 明 饗場 直美
出版者
The Japan Dietetic Association
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.440-445, 2015

特別養護老人ホーム潤生園では、2009年9月より入居者のQOLの向上を目的に、発酵乳製品を毎日1個摂取している(乳酸菌飲料週4回、ヨーグルト週3回)。当園では摂取開始以前より入居者の健康状態や排便状況をデータベース化しており、摂取前後のデータを比較することで、発酵乳製品の継続摂取が入居者の排便状況や健康状態に、どのような影響を及ぼすかを検証した。月平均の排便回数は摂取後、有意に増加していた(月平均27.1回から32.8回に増加、<i>p</i><0.001)。また、坐薬使用回数も、摂取後1人当たり年間22.6回から14.5回へ有意に減少し(<i>p</i><0.001)、浣腸使用回数においても、摂取後1人当たり年間7.0回から4.7回へ有意に減少していた(<i>p</i>=0.03)。発熱日数や回数についても、摂取後減少していたが、有意な差は認められなかった。以上の結果から、発酵乳製品の継続摂取により、排便回数の増加、坐薬使用回数の減少、浣腸使用回数の減少が認められ、入居者の排便状況の改善に寄与していることが示された。
著者
時田 純子
出版者
日本生活体験学習学会
雑誌
生活体験学習研究 (ISSN:13461796)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.59-69, 2001-01-01

本論文は、日々の生活体験を重視し、心と体のたくましい子を育てることを試みた大分県中津市如水保育園の取り組みを報告したものである。本園は、預かるだけの保育園ではなく、子どもをまん中にして、園と親、親同士が共に支え合う場としての保育園を目指すと同時に、1984年から保育のなかに①リズム運動など朝の運動、②雑巾がけ、畑仕事、配膳などの勤労体験、③描画による表現体験、④お泊まり保育や他園との交流保育による共同生活体験など、各種の体験活動を導入し、積極的に体験重視の保育をおこなってきた。また、保育園を中心に子育てに関わる親の学習活動や交流活動を活性化するようにした。その結果、①体力・運動能力のある子が育ってきた、②低体温児がいなくなった、③表現力と集中力が育った、④早寝早起きの子が増えた、⑤テレビの長時間視聴児が減った。