著者
横田 健一 曽根 正勝
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.158-162, 2022-04-25 (Released:2022-06-02)
参考文献数
28

副腎から分泌されるホルモンは加齢に伴い質的・量的な変化を生じ,高齢者における認知機能低下,不眠,フレイル,サルコペニアや糖尿病,高血圧,骨粗鬆症,易感染性など様々な病態に関与していると考えられている.また,副腎の各種疾患においても高齢者特有の所見や経過を示すため診療において配慮が必要である.
著者
曽根 正勝
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.4, pp.659-666, 2018-04-10 (Released:2019-04-10)
参考文献数
8

内分泌性高血圧は,原発性アルドステロン症,腎血管性高血圧,Cushing症候群,褐色細胞腫,先端巨大症,甲状腺機能異常等,多岐にわたるため,実地医家においては各疾患のできるだけ簡便なスクリーニングが求められる.また,問診や身体所見,一般検査所見からも多くの情報が得られるため,日常診療を丁寧にかつポイントを押さえて行うことで,疑いの契機とすることが重要である.
著者
近藤 英治 曽根 正勝 山原 研一 千草 義継
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

妊娠高血圧腎症や胎児発育不全は主に胎盤形成不全に起因する。病的胎盤からの放出因子が母体血管内皮を障害して高血圧や様々な臓器を障害する。一方、胎児では発育不全や胎児機能不全をきたす。この母児の生命を脅かす疾患の根源は胎盤にあり、胎盤形成不全の原因を明らかにし、胎盤機能再生療法を開発することは、周産期医学にとって喫緊の課題である。しかし、未だ胎盤形成のin vitroモデルはなく、まずは胎盤形成不全の機序を解明するため、胎盤を構成する絨毛細胞、血管内皮細胞、間葉細胞の代用として、ヒトiPS細胞由来絨毛様細胞、臍帯由来の血管内皮細胞、羊膜由来の間葉系幹細胞を共培養することで、胎盤の立体的器官芽(ミニ胎盤)を作成することに成功した。絨毛は2層構造であり、内側のCytotrophoblast(以下CT)と外側の(Syncytiotrophoblast(以下ST)から構成され、CTの融合により形成されるSTは母体血に面しており、母体と胎児の栄養・ガス交換を担っている。また、CTは絨毛外栄養膜細胞(EVT)にも分化し、脱落膜に付着したcell columnのCTから分化したEVTは子宮や子宮動脈内に浸潤する。ミニ胎盤ではこの3種の絨毛(CT, ST, EVT)が局在しており、より生体に近いモデルであると考えられた。ミニ胎盤は免疫不全マウスの子宮内でも生着するため、今後我々が開発したミニ胎盤はin vitroのみならずin vivoにおいても胎盤形成期の研究材料モデルとして用いることができる可能性がある、