著者
大橋裕太郎 小川 秀明 永田 周一 馬島 洋 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.123, pp.51-55, 2007-12-07

私達研究グループは、動物園が科学教育や体験学習に対して大きな役割を果たすことに着目し、動物園での参加型学習環境の構築を行っている。その中で、携帯電話や携帯型音楽機器などのモバイル機器を利用したユビキタス環境での学習支援をひとつのテーマとしている。具体的な試みとして、情報ツールを通じて利用者が動物園のリソースを有効に活用することを目的とした「Being-いきてること展」を2007年4月24日から5月6日にかけて東京都井の頭自然文化園で行った。展覧会では、小中学生が作成した動物の音声案内を園内のナビゲーションとして活用する実践を行った。また、それを聞いた来園者が携帯電話を利用して自分の声をサーバに記録することができる Voice Trackback システムを開発し、運用を行った。利用者の主観評価では、肯定的判断をした回答者の偏りに優位な差を認めることができた。Our research group found that zoological park is a resourceful place for learning by experience. Our goal is to reconstruct learning environment for children in zoo by using emerging information technology such as mobile phones, podcasting and interactive website. Concretely, we held "Being Exhibition", which proposed information tools so that visitors (especially children) are able to put resources in zoo to practical use from 24th April to 6th May. In this exhibition, we arranged voice guidance made by elementary school student. In addition, we developed Voice Feedback System, a collaborative voice data gathering system for environmental learning. Users report their thoughts by their own voice with mobile phones, after going around the zoo. According to a subjective assessment, it was observed that a number of participants who had positive response were statistically-meaningful.
著者
西村俊介 有澤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.94, pp.25-32, 1994
被引用文献数
1

ジュリアーマンデルブロ集合を題材として、四次元の像を計算機で画面で表示するシステムを試作した.従来,三次元や二次元の空間を可視化する技術は十二分に研究されてきているが,多次元にまつわる情報の可視化の研究はきわめて稀である.ここでは四次元を計算機のディスプレイという二次元の空間に表示するための比較的簡単な方法として,四次元立体の二次元平面による断面を表示する方法を採用する.そして,四次元空間における平面の位置を把握し,平面を移動する際に生じる種々の問題点に対して,解決策を提示する.
著者
大橋裕太郎 横江 宗太 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.129, pp.19-22, 2008-12-13
被引用文献数
1

私たちは,水族館が持つ映像コンテンツを利用することでエンタテイメン卜性の向上と学習支援を目的としたエデュテイメント環境を構築した.新江ノ島水族館と慶應義塾大学が共同で研究を進めているクラゲラボプロジェクトは,iPod touch を使って水生生物の生態映像を見ることができる映像視聴システムを開発し,2008 年 5 月に新江ノ島水族館利用者に対して実証実験をおこなった.質問紙調査からシステムの主観評価を行ったところ,利用者の水生生物や自然環境への興味が喚起されたことや,システムが観察行動に役立ったことが分かった.We developed edutainment environment that aims to improvement of entertainment and learning assistance, by using aquarium-based movie contents. "Qurage Lab" project, which is promoted by Enoshima Aquarium and Keio University, developed a video system that enables visitors of the aquarium to see valuable video contents of aquatic lives by using ipod touch, and we demonstrated the system on May 2008. The result of the subjective assessment by users of the system showed that users were "intrigued with the aquatic lives", and the system helped the observation.
著者
水戸 成 有澤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.95, no.475, pp.25-30, 1996-01-24

実用的なマルティメディアのタイトルとして、ハイパーテキストによる総合鉄道時刻表の電子版を研究開発した。モックアップを作成し、列車情報の取得可能性と、その変更を容易に実現し得るシステム橋造、および、従来の紙メディアを超える操作性の獲得について検討した。これは、市販されている汎用表計算ソフトウェアMicrosoft Exce1とその開発言語環境Visual Basic for Applications上で開発を行うものである。時刻表示や、列車間および異なる交通手段への乗り換え案内をはじめ、広告などのマルティメディアオブジェクトにもリンクできる機能を有している。
著者
加藤 直孝 有澤 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.22, pp.39-46, 2005-03-10
被引用文献数
2

本稿はソフトウェアのローカライゼーションにおける文字列の翻訳に関するものである。現在の多くのアプリケーション・システムはユーザーとのインターラクションを前提としており、ユーザーとの意思疎通のためにテキストを用いる。このテキスト情報のうちプログラムに統合した情報をProgram Integrated Information (PII)とよぶ。PIIはプログラム中に埋め込まず、プログラムとは分離した外部テキストファイル上に置く。これによりPIIの翻訳者はプログラムのコードとは別に文字列を翻訳できる。ただしPIIを外部テキストファイルにしても、PIIの翻訳には多くの問題が残っている。プログラムの国際化に関して、従来は文字コードやファイルフォーマットと言ったPIIのプログラミングの側面のみを議論してきた。PIIの翻訳や自然言語処理の側面は論じてこなかった。本稿はPIIの自然言語、特に翻訳、の側面に焦点をあてる。まず、PIIには「相」があることを指摘するとともに、PIIのモデルを構成する「Feature」を導入する。そして、それら「相」や「Feature」がPIIの文脈とどのような関係にあるかを提示することにより、PIIの概念構築を行った。今後は構築した概念モデルを活用して、プログラム開発言語、プログラム開発環境、翻訳支援ツール、および自動翻訳プログラムがいかに協調してPIIの翻訳の問題を解くかを議論できる。Most of the application systems require interaction with users. Such applications use text strings to communicate with users. Those strings are integrated in a software and are called "Program Integrated Information (PII)." This paper focuses translation of those text strings from the point of software localization. PII is separated into text files from application system programs. Although this separation enables translators to translate PII without referring the coding of the application system program, it does not solve all the problems that translators face when they translate PII. Computer scientists and engineers that were engaged in the design of PII have not discussed the natural language aspect of PII, but discussed only the programming aspect of PII such as character coding and PII file format. This paper introduces the PII concept of "So" and "Feature" to understand PII from both aspects. Then the conceptual model of PII is presented by relating the "PII Context" to the "So" and "Features."