著者
浅見 佳世 服部 保 赤松 弘治
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.125-128, 1995-03-31
被引用文献数
6 12

河川堤防植生(河川堤防法面上の植生)の実態を明らかにし植生管理手法を確立するために,高知県仁淀川,兵庫県猪名川,徳島県那賀川の堤防法面で植生と刈り取り頻度との関係について調査を行った。両者の関係については,刈り取り頻度が2年に1回以下の低頻度ではススキが,年1,2回ではチガヤやススキが,年3回ではシバがそれぞれ優占し,また刈り取り頻度に対応して草丈の増減,季節性の有無,種多様性の高低が生じることが認められた。この内堤防管理の安全性および景観性,種多様性などの環境機能についての条件を勘案すると,堤防植生としてはチガヤ型がふさわしくその管理方法としては年2回の刈り取りを行うのが望ましいと考えられる。
著者
黒田 有寿茂 石田 弘明 服部 保
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.159-167, 2011-11-30

水湿地に生育する絶滅危惧植物ツクシガヤ(イネ科)の保全に向け、その種子発芽特性と種子保存方法を明らかにするために数種の発芽試験を行った。段階温度法による試験の結果、本種は散布された段階では休眠状態にあり、休眠解除には2〜3週間程度の冷湿処理が必要であること、高温により二次休眠が誘導される性質をもつこと、発芽可能な温度域の下限は20℃付近にあることが示唆された。これらの結果から、本種の種子は秋季に散布された後、冬季に休眠解除され、春季に発芽していると考えられた。前処理の水分条件を変えた試験の結果、数ヶ月の冠水は種子の発芽能力に負の影響を及ぼさないこと、発芽時の水位条件を変えた試験の結果、数cmの冠水は種子の発芽を妨げないことがわかった。これらの水分・水位条件に対する性質は、頻繁に冠水する水湿地で定着するための有効な特性と考えられた。保存条件を変えた試験の結果、本種の種子の大部分は、遮光アルミパックへの抜気封入処理により、少なくとも3年は発芽能力を保持することが確認された。本種の保全に向けては、現存個体群の保護、生育立地の維持と共に、抜気封入処理による種子保存を補完的に進めていくことが有効といえる。
著者
茂原 政一 佐藤 登志久 井上 享 服部 保次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.571, pp.37-42, 1996-03-13

光加入者線路網においては接続分岐が複雑になるため, 線路の敷設, 運用の際の接続状況を識別することが必要となる可能性がある. 我々は光線路内に異なるBragg波長のファイバグレーティングを組み合わせて識別素子として設け, 波長可変パルスレーザを用いて光線路の長手方向に分布する識別素子の位置と特定波長のファイバグレーティングの有無を検出する光線路接続状況認識システムの検討を行っている. 本報告では, その原理確認実験結果とシステムに使用するファイバグレーティングを外部共振器ミラーとして用いたハイブリッドレーザの動作試験結果について述べる.