著者
寺原 史貴 木佐 健悟 山田 航輔 横川 祐美 齋藤 俊一郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.306-312, 2017-06-10 (Released:2018-06-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

This study investigated the efficacy of ceftriaxone (CTRX) for the treatment of aspiration pneumonia. We compared patients treated with CTRX versus sulbactam/ampicillin (SBT/ABPC). One-to-one propensity score matching was performed to compare the success rates of antibiotic therapy and in-hospital mortality between the groups. Moreover, the duration of antibiotic use, hospital period, and total antibiotic costs were compared among effective patients in the groups. There were 43 and 20 patients in the SBT/ABPC and CTRX groups, respectively. The propensity score matching included 20 patients in each group. There was no significant difference in the success rate of antibiotic therapy (85% vs 95%, P = 0.62) or in-hospital mortality (25% vs 5.0%, P = 0.22) between the groups. In addition, there was no significant difference in the duration of antibiotic use (median: 9 days vs 10 days, P = 0.94) or hospitalization period (median: 19 days vs 18 days, P = 0.94) among the effective patients in the groups. However, the total antibiotic costs were significantly lower in the CTRX effective group than the SBT/ABPC effective group (13,731 ± 4,903 yen vs 20.772 ± 6,840 yen, P = 0.001). CTRX may be another choice for antibiotic treatment for patients with aspiration pneumonia when they have no risk of drug-resistant bacteria.
著者
浅川 朋宏 川畑 秀伸 村上 学 木佐 健悟 大島 寿美子 寺下 貴美 小野寺 慧洲 大滝 純司
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.249-253, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
15

目的 : 財政破綻を機に医療資源の縮小を伴う医療の合理化に直面した住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方を明らかにし, 医療の合理化において考慮すべき要素を探索する.方法 : 自治体の財政破綻に直面したX市の住民を対象に, 医療の合理化に対する思いと今後の医療のあり方への考え方の2点を質問し, 質的な分析を行った.結果 : 医療資源縮小を伴う医療の合理化への住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方として「医療の合理化の進め方」, 「地域医療のあり方」, 「行政, 医療者の姿勢」の3つのテーマが抽出された.結論 : 医療の合理化おいて, 行政や医療機関が合理化の過程および内容に関して住民の意見を受け止め, 地域の歴史的背景や住民の心情を理解することが重要である.
著者
木佐 健悟 川畑 秀伸 前沢 政次
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.37-44, 2011 (Released:2015-11-25)
参考文献数
34
被引用文献数
4 4

目的 : 日本国内で診察時間を扱った研究がどのような報告をしているかを明らかにするために文献の検討を行った. 方法 : 医学中央雑誌, CiNii, JMEDPlus, Google Scholar, MEDLINEを用いて, 日本国内で具体的に診察時間を測定している研究の論文を抽出し, 診察時間・診療時間に関する記述をまとめた. 結果 : 26の文献が該当した. この中で診察時間を研究の中心のテーマとしたものは6件のみで, 7件は待ち時間が主な調査項目で外来診察時間は副次的な調査項目であった. 電子カルテ導入や医療秘書導入など外来診療へ何らかの介入をした際の影響を評価する一指標として診察時間を使用した研究があった. 適切な診察時間について考察していたのは3件であった. 2件が患者満足度をアウトカムに用いていた. 診察時間の定義は研究によって異なっていた. 結果 : 患者アウトカムを調査した研究は少なかった. 今後, 診察時間の定義を明確にした上で, 測定された診察時間と患者アウトカムを関連づけた研究が必要である.