著者
浅川 朋宏 川畑 秀伸 村上 学 木佐 健悟 大島 寿美子 寺下 貴美 小野寺 慧洲 大滝 純司
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.249-253, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
15

目的 : 財政破綻を機に医療資源の縮小を伴う医療の合理化に直面した住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方を明らかにし, 医療の合理化において考慮すべき要素を探索する.方法 : 自治体の財政破綻に直面したX市の住民を対象に, 医療の合理化に対する思いと今後の医療のあり方への考え方の2点を質問し, 質的な分析を行った.結果 : 医療資源縮小を伴う医療の合理化への住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方として「医療の合理化の進め方」, 「地域医療のあり方」, 「行政, 医療者の姿勢」の3つのテーマが抽出された.結論 : 医療の合理化おいて, 行政や医療機関が合理化の過程および内容に関して住民の意見を受け止め, 地域の歴史的背景や住民の心情を理解することが重要である.
著者
三苫 博 大滝 純司 泉 美貴
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-10, 2016-02-25 (Released:2017-08-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

背景 : 医師国家試験 (国試) 出題基準の妥当性は卒後初期臨床研修 (初期研修) の観点からの検討が不十分である.方法 : 初期研修の指導医を対象に, 出題基準に収載された各疾患の重要性に関する質問紙調査を行った. 回答 (5段階) を「重要性スコア」 (5点満点) に変換し, その平均値をもとに疾患を3群に分け, 各群の出題状況も検討した.結果 : 重要性スコアが低い (2.5点未満) 疾患が出題基準の10.0%を占めた. それらの一部は国試に出題され, 重要性が中等度 (同2.5点以上4.5未満) の疾患も一部は詳細な知識が問われていた.考察 : 初期研修における重要性と国試出題基準および出題の間に乖離がある可能性を示唆している.
著者
木村 琢磨 前野 哲博 小崎 真規子 大滝 純司 松村 真司 尾藤 誠司 青木 誠
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.383-389, 2007-12-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
15

欧米では, 研修医のストレスは燃え尽き症候群や抑うつの原因となり, 研修プログラムからの脱落や非倫理的な診療などにつながると報告され, ストレス要因への対策がなされている.最近わが国でも, 研修医の過酷な労働条件や過労死などが問題となっているが, わが国における研修医のストレス要因を検討した報告は少ない.1) 10施設の研修医25人を対象に, フォーカス・グループ・インタビューを実施し, わが国における研修医のストレス要因を探索した.2) 研修医のストレス要因として, 一人の人間としてのストレス要因, 新米社会人としてのストレス要因, 未熟な研修中の医師としてのストレス要因の3つを抽出した.3) 3つのストレス要因をそれぞれ生活ギャップ, 社会人ギャップ, プロフェッション・ギャップと名づけ, 研修医のストレス要因を, 医学生時代と医療現場とのギャップがもたらす産物として描出した.4) わが国の研修医の様々なストレス要因が明らかになったが, 研修中の未熟な医師としてのストレス要因は, わが国特有であった.5) 安全で効果的な研修を行うために, これらのストレス要因を考慮した研修医のストレスへの対策が望まれる.
著者
武田 裕子 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 稲福 徹夜 高屋敷 明由美 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 森尾 邦正 稲福 徹也 高屋敷 明由美 安井 浩樹 武村 克哉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本調査では、医師が専門とする診療科および勤務地選択の際の要因や関連する因子を探るべく、全国の医学部4年生・6年生ならびに研修医を対象に、アンケート調査を実施した。また、すでに専門診療科をもって診療している医師会会員(3県)にも同様の調査を実施した。回答者の属性や個人的な体験・考え方、生育地の規模が特定の診療科選択や最終的な勤務地の決定に影響することが見出された。回答した学生・研修医の2/3がへき地勤務を肯定的にとらえていることがわかった。また、勤務地の決定には生育地の規模が大きく影響していた。
著者
西岡 和昭 伊藤 正裕 林 省吾 平井 宗一 福沢 嘉孝 大滝 純司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.199-204, 2012-06-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
8

献体標本を用いて各部位の名称や機能を問う実習試験と一般的な解剖学的知識を問う筆記試験の正答率を比較して解析した.1)実習試験の正答率と筆記試験の正答率との相関は弱かった.2)実習試験では,通常の筆記試験では測れない能力を評価している可能性が示唆された.3)人体の構造の多様性・個体差の要素が含まれる献体を用いた実習試験と解剖学知識を問う筆記試験の併用は,学生を評価する上で有用であることが推測された.
著者
菰田 孝行 阿部 幸恵 大滝 純司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.259-263, 2009 (Released:2010-09-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

1) インターネット検索エンジンGoogleを用いて,「GIO」と「SBO」,「一般目標」と「行動目標」を,それぞれ検索語として入力し「and検索」を行った.2) 「GIO」と「SBO」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,日本の医学教育に関わるサイトであった.3) 「一般目標」と「行動目標」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,医学教育に関わるサイトであった.
著者
大滝 純司 水嶋 春朔 北村 聖 加我 君孝 前沢 政次
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

昨年度までの研究活動に引き続き、以下の研究活動を行った。1.一次調査の結果を発表昨年度に実施したFGI調査の分析結果をまとめて、日本医学教育学会で発表した。2.二次調査の計画立案昨年度までの調査結果をもとに、二次調査として、全国規模のアンケート調査(多施設調査)を計画した。(1)調査対象の種類と数の検討研究班内で議論し、最終的に国内の研修病院(10カ所程度)の通院患者を調査対象に定めた。(2)調査対象者選定方法の検討調査対象病院の選定方法(層別など)について、資料を収集し研究班内で検討した。(3)質問紙原案の作成昨年度までの調査結果を参考にしながら、二次調査で用いる質問項目を検討し、質問紙の原案を試作した。(4)倫理審査二次調査に関する倫理面の審査を筑波大学の審査委員会に申請し承認を得た。3.質問紙原案による予備調査の実施試作した質問紙原案を用いて、某病院の内科外来患者を対象に予備調査を実施した。実施した結果を分析して質問紙を改良した。また、調査の運営方法などに関しても、この予備調査の経験をもとに再検討した。4.二次調査の実施調査対象病院の候補を選定し、調査への協力を依頼した。了承が得られた病院の内科外来患者を対象に、改良した質問紙を用い、対象者の同意を得て、二次調査を実施した。全体で10病院の521名から回答が得られた。5.二次調査の集計と分析、報告書の作成二次調査の結果を集計・分析し考察を加え、報告書を作成した。