著者
木村 祐哉 山内 かおり 川畑 秀伸 木村 祐哉 山内 かおり 川畑 秀伸 木村 祐哉 山内 かおり 川畑 秀伸
出版者
日本動物看護学会
雑誌
Animal nursing
巻号頁・発行日
vol.15-16, pp.1-5, 2010-11

動物看護師の労働状況とメンタルヘルスの現状について把握するための予備的研究として、現役で勤務している動物看護師を対象に質問調査を実施した。調査はウェブを介して行い、 32名の回答を得た。有効回答は31名であり、そのうち15名(46.8%)は心と身体の健康調査表(STPH)の抑うつ尺度得点が高く、うつ病の可能性があると判断された。同得点による抑うつ傾向は未婚者よりも既婚者で強かったD過去に思い描いていた動物看護師像と現在の自己認識像が乗離している者でも抑うつ傾向は強く、そうした禿離を防ぐために職業教育や求職活動のあり方を再考する必要性が示唆された。また、自由記述からは「ワーク・ライフ・バランスの未達成」や「人間関係での苦労」、 「労働条件に関する不満」などが問題として指摘された。
著者
木村 祐哉 川畑 秀伸 大島 寿美子 片山 泰章 前沢 政次
出版者
ヒトと動物の関係学会
雑誌
ヒトと動物の関係学会誌 (ISSN:13418874)
巻号頁・発行日
no.24, pp.63-70, 2009-12
被引用文献数
1

ペットを失ったことで悲しむ飼主に対し、日本では「ペットロス症候群」という名称が一部で用いられる。この表現には肯定的な立場をとる者もいれば否定的な立場をとる者もおり、それが受け容れうるものであるかどうか、想定される影響について判断する必要が生じている。本研究では、異なる3大学でそれぞれ医学、獣医学、文学を専攻する学生99名を対象とした自由記述式の質問紙調査を実施した。内容分析の手続きにより全13,475字の記述内容から142個の最小分析単位を抽出、4グループから成る18個のコードが生成された。このコードを基本的発想データ群としたKJ法の手続きにより、【命名の是非】は【病名の妥当性】と【病名の影響】から判断されるという構造が想定された。また、ペットの喪失に伴う【悲嘆への認識】は個々人で異なることがあり、それが【病名の妥当性】と【病名の影響】の双方に影響を及ぼす可能性が示唆された。In Japan today, some use the term "pet-loss syndrome" to refer to the condition of the owners who are bereaved from death of their pets. However, it is controversial whether this term should be propelled to common usage. Investigation about issues of concern regarding this term is necessary to discuss the pros and cons of this expression. To collect as wide of a variety of ideas about the expression as possible, a total of 99 medical, veterinary and humanities students from three different universities were recruited for an open-ended questionnaire. By content analysis, 142 minimum units for analyzing were extracted from 13,475 characters written on the questionnaire. These units were organized into 18 codes classified in four groups. In order to establish a theory of terming, the KJ method was finally conducted by treating the codes as basic data for abduction. The constructed theory showed a basic concept that [pros and cons of terming "pet-loss syndrome"] were assessed by two factors: [validity of the disease name] and [influence from the disease name]. Furthermore, it was also assumed that [perception toward grief derived from pet loss] differed from person to person, which could affect these factors.
著者
浅川 朋宏 川畑 秀伸 村上 学 木佐 健悟 大島 寿美子 寺下 貴美 小野寺 慧洲 大滝 純司
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.249-253, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
15

目的 : 財政破綻を機に医療資源の縮小を伴う医療の合理化に直面した住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方を明らかにし, 医療の合理化において考慮すべき要素を探索する.方法 : 自治体の財政破綻に直面したX市の住民を対象に, 医療の合理化に対する思いと今後の医療のあり方への考え方の2点を質問し, 質的な分析を行った.結果 : 医療資源縮小を伴う医療の合理化への住民の思いと, 新たな医療体制への住民の考え方として「医療の合理化の進め方」, 「地域医療のあり方」, 「行政, 医療者の姿勢」の3つのテーマが抽出された.結論 : 医療の合理化おいて, 行政や医療機関が合理化の過程および内容に関して住民の意見を受け止め, 地域の歴史的背景や住民の心情を理解することが重要である.
著者
木村 祐哉 川畑 秀伸 大島 寿美子 片山 泰章 前沢 政次
出版者
ヒトと動物の関係学会
雑誌
ヒトと動物の関係学会誌 (ISSN:13418874)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.63-70, 2009-12

ペットを失ったことで悲しむ飼主に対し、日本では「ペットロス症候群」という名称が一部で用いられる。この表現には肯定的な立場をとる者もいれば否定的な立場をとる者もおり、それが受け容れうるものであるかどうか、想定される影響について判断する必要が生じている。本研究では、異なる3大学でそれぞれ医学、獣医学、文学を専攻する学生99名を対象とした自由記述式の質問紙調査を実施した。内容分析の手続きにより全13,475字の記述内容から142個の最小分析単位を抽出、4グループから成る18個のコードが生成された。このコードを基本的発想データ群としたKJ法の手続きにより、【命名の是非】は【病名の妥当性】と【病名の影響】から判断されるという構造が想定された。また、ペットの喪失に伴う【悲嘆への認識】は個々人で異なることがあり、それが【病名の妥当性】と【病名の影響】の双方に影響を及ぼす可能性が示唆された。
著者
木村 祐哉 金井 一享 伊藤 直之 近澤 征史朗 堀 泰智 星 史雄 川畑 秀伸 前沢 政次
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-65, 2016-07-20 (Released:2017-01-24)
参考文献数
17

ペット喪失に伴う深刻な心身の症状が2カ月を超えて持続する場合には,医師による対応が必要である可能性が高いと考えられる。東京および愛知の動物火葬施設で利用者に対して精神健康調査票(GHQ28)による追跡調査を実施したところ,死別直後で22/37名(59.5%),2カ月後で17/30名(56.7%),4カ月後で11/27名(40.7%)の遺族がリスク群と判定された。また,心身の症状に影響のある要因として,遺族の年齢,動物との関わり方,家族機能が挙げられた。ペット喪失後の問題を減らすためには,こうした要因をもつ飼育者に獣医療従事者が事前に気づき,予防的な対応をとることが重要と考えられる。
著者
木村 祐哉 金井 一享 伊藤 直之 近澤 征史朗 堀 泰智 星 史雄 川畑 秀伸 前沢 政次
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.59-65, 2016

<p>ペット喪失に伴う深刻な心身の症状が2カ月を超えて持続する場合には,医師による対応が必要である可能性が高いと考えられる。東京および愛知の動物火葬施設で利用者に対して精神健康調査票(GHQ28)による追跡調査を実施したところ,死別直後で22/37名(59.5%),2カ月後で17/30名(56.7%),4カ月後で11/27名(40.7%)の遺族がリスク群と判定された。また,心身の症状に影響のある要因として,遺族の年齢,動物との関わり方,家族機能が挙げられた。ペット喪失後の問題を減らすためには,こうした要因をもつ飼育者に獣医療従事者が事前に気づき,予防的な対応をとることが重要と考えられる。</p>
著者
木佐 健悟 川畑 秀伸 前沢 政次
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.37-44, 2011 (Released:2015-11-25)
参考文献数
34
被引用文献数
4 4

目的 : 日本国内で診察時間を扱った研究がどのような報告をしているかを明らかにするために文献の検討を行った. 方法 : 医学中央雑誌, CiNii, JMEDPlus, Google Scholar, MEDLINEを用いて, 日本国内で具体的に診察時間を測定している研究の論文を抽出し, 診察時間・診療時間に関する記述をまとめた. 結果 : 26の文献が該当した. この中で診察時間を研究の中心のテーマとしたものは6件のみで, 7件は待ち時間が主な調査項目で外来診察時間は副次的な調査項目であった. 電子カルテ導入や医療秘書導入など外来診療へ何らかの介入をした際の影響を評価する一指標として診察時間を使用した研究があった. 適切な診察時間について考察していたのは3件であった. 2件が患者満足度をアウトカムに用いていた. 診察時間の定義は研究によって異なっていた. 結果 : 患者アウトカムを調査した研究は少なかった. 今後, 診察時間の定義を明確にした上で, 測定された診察時間と患者アウトカムを関連づけた研究が必要である.