著者
木村 智樹
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

木星極域の周期的な高エネルギー粒子加速・オーロラ発光等との関連が示唆されている準周期的低周波電波バースト現象Quasi-Periodic burst(以下、QPバースト)は、木星極域磁気圏における周期的で強力な粒子加速過程の情報を反映する重要な現象だと考えられている。しかし、その周期性(数分、15分、40分変動)の決定要因・発生領域・発生機構等の詳細は長年不明であった。本研究では、それらの根源的物理過程を考え、極域における粒子加速過程解明を目標に研究を行った。まず研究代表者は、カッシーニ探査機の波動データに基づき、励起機構に密接に関連のある、電波の偏波特性や到来方向を解析した。その結果、QPバーストの励起機構や伝搬過程に、新しい観測的制約を与える事ができた。また、電波伝搬モデリングと木星の低・高緯度領域で得られた偏波観測結果を組み合わせ、QPバーストの放射源位置や伝搬モードについて議論した。その結果、同現象はある特定の放射源位置とモードをもって励起している事が示唆された。さらに、示唆された放射源位置において、観測や伝搬モデリングと整合する波動が励起される可能性を、波動励起の理論計算に基づいて検証を行った。その結果、極域における高エネルギー粒子によって、観測・モデリングと整合する電波が励起される事が実証された。上記研究結果に関して、国内外の複数の学会において発表を行った。また、上記研究に関連する研究結果が、学術誌(Journal of Geophysical Research誌)に採択された。
著者
一柳 健 木村 智明 長島 重和 赤坂 吉道 益田 豊次
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.89, no.810, pp.476-477, 1986-05-05

薄板圧延設備では,圧延材の長手方向の板厚精度を向上させることが最も重要な課題とされている.すなわち,板厚精度は歩留り向上の面からはもちろん,その後の深絞り加工製品精度へも大きな影響を与えるためである.この板厚精度向上のためには,圧延ロールの位置決めを行い,かつ圧延荷重を付与する圧下装置の精度,応答性の向上が不可欠であると共に,過酷な使用条件,環境に耐えうるように高信頼性,長寿命化等の改善が必要であった.この圧下装置では油圧サーボ弁が最も重要な役割を果たすが従来はノズルフラッパ式またはジェットパイプ式が使用されていた.これに対し,スプールを直接駆動する直動形油圧サーブ弁(商品名:フォースモータバルブ略称FM・V)を独自に開発し,またこのFM・Vの性能を十分発揮させるための高性能制御装置,位置検出機構等から構成される油圧圧下装置(商品名:HYROP-F)を完成させ,コールドストリップミルはもちろん,ホットストリップミル及びプレートミル等,板用圧延機の全機種に適用することに成功した.