著者
木村 智哉
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

調査対象となるアニメーション専門誌のうち、徳間書店の『アニメージュ』誌については、個人蔵資料である81年分までを、編集スタッフからの示唆もあり、新たに入手した『BEST OF アニメージュ 20TH』(1998年)の記事総覧をもとに精読した。東映動画の韓国企業への発注開始に関する記事をはじめ、多くのスタジオ史にまつわり資料を確認することができた。以降の号については、演劇博物館図書室所蔵資料を用いる予定であったが、同館所蔵分が利用者の少なさのため別置作業に入ってしまったことで、今年度は閲覧することができなかった。また、同じく個人蔵資料である、すばる書房およびブロンズ社の『月刊アニメーション』誌については、精読に加えて一部記事の一覧化に着手した。角川書店の『Newtype』誌については演劇博物館所蔵分を閲覧した。ほか、近代映画社『ジ・アニメ』、秋田書店『マイアニメ』、みのり書房『月刊OUT』、ラポート『アニメック』、ファントーシュ編集室の『ファントーシュ』の5誌について、古書市場を通して入手。研究補助者の協力を得て、精読と該当記事の一覧化を行った。『ジ・アニメ』誌は、1980年の創刊4号以降、85年11月号までチェックを行っている。ただし欠号が多いため、今後それを補う必要がある。『マイアニメ』誌は81年の創刊から84年までの数号に留まったが、各種スタッフインタビュー欄の存在を確認できている。『月刊OUT』誌は78年の創刊から84年分までのほぼすべての号の一覧化を行った。『アニメック』誌は、79年の創刊7号以降、87年の休刊まで、ほぼ全ての号の一覧化を果たした。また、『ファントーシュ』誌はすべての号を一覧化した。また、神戸映画資料館や京都国際マンガミュージアムで所蔵資料調査と関係者聞き取りを行ったほか、一部の成果に関して執筆した論文の英訳を行い、現在審査中である。
著者
木村 智人 鈴木 崇宣 小泉 裕 横川 忠晴 原田 広史 今井 八郎
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.1041-1045, 2007 (Released:2007-11-02)
参考文献数
4
被引用文献数
8 9

A post service examination of a turbine blade from a civil aeroengine has been carried out to ascertain the degree of microstructural coarsening and the distribution of crack damage induced during service. This was with the purpose to elucidate their correlation with the actual operating conditions. Samples were sectioned from different parts of the turbine blade for detailed examination by optical microscope and scanning electron microscope. The average length of cracks was used as one of the parameters to quantitatively illustrate the distribution of cracks on the turbine blade. Experimental results suggested that cracks were mainly concentrated on certain area of the pressure side. Leading edge of the suction side of the turbine blade consisted of mostly coarsened microstructure due to higher temperature exposure. In conclusions, there was no clear correlation between the crack damage distribution and the degree of microstructure evolution.
著者
中泉 昌光 木村 智也 安藤 亘 林 浩志
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.235-251, 2019 (Released:2019-09-02)
参考文献数
4
被引用文献数
2

Amid increasing global demand for marine products and expanding exports, it is required to take measures to eradicate the Illegal, Unreported and Unregulated (IUU) Fishing. More consumers prefer and choose traceable and sustainable products due to growing interest in environment. In Japan, rapidly declining and aging population have a great impact on maintaining fishing communities such as a serious shortage of workers. Therefore, the authors have surveyed major fishing ports and their markets in Europe as well as collected existing reports and information on fishing ports overseas and conducted comparative analysis on the management and operations of the fish market which utilizing ICTs. After clarifying the characteristics of the management and operations overseas and at home, and the background of advanced auction system such as electronic auction and online in Europe, the authors have found that digitalization and expanding network - utilizing ICT such as PCs, tablets, smartphones and the internet - surely contribute to ensuring traceability against IUU Fishing. It is clear that Japan is left far behind in introducing electronic auction apart from the difference of landing, selling and shipping style. The authors have also proposed the digitalized and networked system for the management and operations of the fish market based on the database sales information combined with catch information, designed to realize hygiene highly-managed fishing port - fish market in Japan - which can supply quality, traceable and sustainable marine products to consumers globally. In addition, the proposed system can help market officials, producers and buyers save their labor and time.
著者
木元 広実 守谷 直子 酒井 勝 辻 容子 木村 智信 佐々木 啓介 鈴木 チセ 川口 孝泰
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-7, 2017 (Released:2017-04-22)
参考文献数
20

著者らはLactococcus lactis H61の摂取により,春季,冬季におけるヒトの肌の状態の改善(乾燥の抑制等)を報告している。本研究では夏季におけるH61株の当該効果を調べるために,被験食品として,一般的なヨーグルト用たね菌で製造したヨーグルト(標準ヨーグルト),これにH61株を加えて発酵させたヨーグルト(H61ヨーグルト)を用い,二重盲検にて2013年6月上旬からこれらのいずれか85g/日を健康な中高年層の女性(22名:40歳~74歳)に4週間摂取させ,摂取前後及び摂取終了1ヶ月後に,頬及び前腕の水分量,頬の油分量,血管年齢を測定した。ヨーグルト摂取終了後,摂取終了1ヶ月後に肌の状態(17項目),体調(22項目)について自己評価をさせた。その結果,両方のヨーグルト群で,摂取4週間後に頬及び前腕部の水分量,頬の油分量が増加し,ヨーグルト摂取終了1か月後でこれらの値が低下する傾向が見られた。摂取ヨーグルトの違いは肌の機器分析項目,血管年齢に影響を及ぼさなかった。ヨーグルト摂取終了後,終了1ヶ月後の肌の状態,体調のカテゴリーにおける自己評価では,調査時期によらずいずれの項目においても改善度合いに両群で有意な差は認められなかったものの,摂取終了1ヶ月後でH61ヨーグルト群のみで,肌,体調の評価が高くなる傾向が得られた。自己評価の効果の数値化の検討も含め,今後サンプルサイズを大きくし,摂取期間を長くして夏季におけるH61株の効果を検証する必要がある。
著者
福田 ひとみ 木村 智恵 杉本 智美 入谷 信子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.172-179, 2002-05-20
参考文献数
20
被引用文献数
3

トリアシルグリセロール(TG)とジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油を用いて調理し,官能検査を行なった。さらに揚げ油の化学的性状変化を測定した。(1) 天ぷら,フライ,鶏の唐揚げ,フレンチドレッシング,クッキーにおいてはTG油の方がDG油より評価が高かった。(2) DG油の酸価は,加熱前TG油よりかなり高かったが,揚げ物による加熱でさらに大きく上昇した。カルボニル価,動粘度は加熱時間と共に上昇したが,いずれもDG油の値が高かった。過酸化物価,ヨウ素価は両油で差がなかった。着色はTG油よりDG油の方が速く,強く着色した。(3) DG油にはトコフェロールが添加されているため総トコフェロール値が高かったが,加熱により大きく低下した。以上の結果より,TG油とDG油を使用した調理の官能検査はTG油の方が好まれた。また,揚げ油に用いたとき,化学的性状の変化はTG油の方が小さく,劣化は小さかった。
著者
木村 智哉
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.49-60, 2010-12-31 (Released:2017-05-22)

This paper aims to discuss the meaning of the revolution that happened to animation in Japan from the 1950's to the 60's. There are two features to which I pay attention: the historical peculiarity of the revolution, and the common trend of the animation movies for commerce and those for non-commerce. There are three topics that are the points of the discussion: the trends of domestic production companies, the introduction of overseas animation movies, and the transition of criticisms. This paper clarifies the following: first of all, the revolution of the animation expression at that time invented a new image by the abstraction of form or movement and by the unification with sound; secondly, the revolution supported the attempt of small-scale productions or independent animators who opposed to major movie companies; and thirdly, however, the same revolution contributed to the lowering of the cost of commercial studios. These phenomena can be related to the revolution of the expression of the audiovisual arts that happened widely from the 1950's to the 60's.
著者
谷川 建司 小川 順子 小川 翔太 ワダ・マルシアーノ ミツヨ 須川 まり 近藤 和都 西村 大志 板倉 史明 長門 洋平 木村 智哉 久保 豊 木下 千花 小川 佐和子 北浦 寛之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、日本映画史上最大の構造的転換期・構造的変革期をなす1960年代末~70年代を対象とし、その社会経済的実態を次に掲げる問題群の解明を通して明らかにし、その歴史的位相を確定する。即ち、①スタジオ・システムの衰退・崩壊の内実とその産業史的意味、②大量宣伝・大量動員手法を確立した角川映画の勃興、③映画各社が試みた経営合理化と新たな作品路線の模索、④「ピンク映画」の隆盛の実態とその影響、⑤異業種からの映画産業界への人材流入の拡大とそのインパクト、である。上記の五つの括りに因んだ映画関係者をインタビュイーとして抽出し、研究会一回につき1名をゲストとして招聘し、精度の高いヒアリングを実施する。
著者
溝畑 剣城 谷川 英二 竹田 秀信 松尾 耐志 奥野 修一 平瀬 健吾 増田 幸隆 福井 学 木村 智 Kenjo Mizohata Eiji Tanigawa Hidenobu Takeda Taishi Matsuo Syuichi Okuno Kengo Hirase Yukitaka Masuda Manabu Fukui Satoshi Kimura 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 藍野学院短期大学看護学科 Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College Department of Nursing Aino Gakuin College
雑誌
藍野学院紀要 = Bulletin of Aino Gakuin (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.20, 2007-03-31

これは,3歳のMr.Rが両親の離婚で「父親」に見捨てられ,19年後,自ら求めて再会した抑圧的な父親に思いの丈を突きつけた,直面化と長引いたエディプス・コンプレックスの自覚,克服の物語である。5歳以後,母は再婚し「義父」と彼の連れ子の義兄,母が産んだ異父弟との生活で,Rは居場所を失った。7歳時,交通事故はそんな状況で起こった。現場に急行した警官に「理想の父」を見てRは救われた。そして24歳で結婚,26歳の12月長男誕生の予定である。しかし口唇裂の長男を堕胎するか否かでRは苦悩する。「妻の父」への報告も躊躇した。通常業務に,通信大学履修,論文作成,三種の仕事と第一子堕胎の決断を迫る,苦悶の極みに,父親を殺したいと思うまでにRはなった。だが「論文指導教授」が精神分析医Dr.Jで,RはJに精神療法を希求した。僅か9回,4ヶ月の面接での回復は,基本的信頼感がほぼ達成されたことを暗示している。