著者
中川 暢彦 阪井 満 村井 俊文 末岡 智 篠塚 高宏 藤田 恵三 露木 琢司 中島 広聖
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.113-117, 2018 (Released:2018-08-01)
参考文献数
14

症例は74歳の男性.深夜に急激に生じた腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部膨満を認め,上腹部に腹膜刺激症状を認めた.腹部造影CT検査では,横行結腸に著明な浮腫性肥厚と周囲脂肪識の濃度上昇を認めた.NOMIによる腸壊死を疑い,緊急手術を施行した.術中所見では,肝彎曲部からの横行結腸および間膜に著明な浮腫と発赤を認めたが,壊死や穿孔の所見は認めなかった.肉眼的に正常な回腸末端から横行結腸中央部までの右半結腸切除術を施行した.病理組織学的検査では静脈を主体にリンパ球浸潤を認め,一部では静脈閉塞も認めた.動脈には炎症所見を認めず,enterocolic lymphocytic phlebitis と診断した.術後経過は良好で術後第9病日に退院し,以降再発は認めていない.今回,稀なenterocolic lymphocytic phlebitis を経験したので報告する.
著者
末岡 智子 大串 健吾 田口 友康
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.333-340, 1996-05-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
4

8人のピアニストがショパンの「別れのワルツ」を3種類の演奏意図で演奏した。27人の聴取者が各演奏を聴きSD法によって評価した。実験結果は多大元尺度法と重回帰分析を用いて分析した。これらの結果によれば, 演奏者の演奏意図はここでは十分に評定者に伝達されており, また中庸のテンポでアゴーギク (テンポのゆらぎ) の比較的大きい演奏が好まれていることが示された。演奏の聴取印象評価とその物理的対応を調べたところ, 聴取印象に最も影響を与える物理量はテンポ及びアゴーギクであった。ダイナミクスとペダリングはそれらに比べれば, 聴取印象への全体的な影響力は弱いことが示された。