著者
廣瀬 雄一 和賀 正樹 末永 幸平
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2023-GI-49, no.13, pp.1-8, 2023-03-10

将棋 AI は近年目覚ましい成果を上げており,プロ棋士による将棋の研究にも用いられるようになってきている.一方で,将棋 AI の選ぶ指し手については解釈可能性が低いという問題点がある.解釈可能性を向上させることにより,将棋研究における将棋 AI の有用性が向上すると期待される.本研究では,将棋 AI である dlshogi の評価関数の feature attribution に基づく解釈可能性向上手法を提案する.dlshogi は入力特徴量として,各マスにどの駒があるか,どのような利きがあるかなどの,解釈が容易な盤面情報を用いている.本研究では,与えられた指し手にとっての各特徴量の貢献度を数値化する手法を提案する.提案手法は SARFA と呼ばれる各特徴量の関連度と特異度から貢献度を算出する手法の拡張となっている.本手法をいくつかの棋譜に適用した.本論文ではその有用性と改善点について議論する.
著者
末永 幸平 塚田 武志 関山 太朗
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

数学における証明のを計算機を用いて一部自動化することを目指します.本申請課題は,この最終目標に対する探索研究として,自然数に関する命題の証明の一部自動化を目指します.本申請課題では,証明が二者ゲームとして定式化でき,したがってゲーム AI の学習手法を証明ゲームに適用することで有能な自動証明アルゴリズムを錬成できるのではないか,というアイデアに基づいて研究を進めます.自動証明は様々なシステムが意図通りに動作することを保証するための要素技術として用いられており,その点で将来的に産業的なインパクト・貢献の可能性が期待できると考えています.
著者
塚田 武志 末永 幸平 海野 広志 関山 太朗
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では,近年著しい発展を遂げている機械学習技術を数理論理学的な問題に応用して,高効率な演繹的推論エンジンを構成することを目指す.機械学習技術は画像認識やゲームAIを含む様々な分野で著しい成功を遂げているが,証明などの演繹的推論が関わる分野には未だに古典的な演繹的推論技術が機械学習技術に優位である問題が多い.これまでの研究では解きたい問題を直接解く機械学習モデルを作る End-to-End の方法が主流であったが,本研究では解きたい問題ではなく機械学習に適した問題を学習させて,学習結果を演繹的推論エンジンで活用する.