著者
松下 吉樹 本多 直人 藤田 薫 渡部 俊広
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.10, pp.15-17, 2004 (Released:2011-03-05)

3種類の刺網を千葉県館山湾奥部の水域に20~37日間設置した。その後潜水観察を行い、羅網した生物と網成りの変化を記録した。刺網には27個体の魚類と甲殻類が設置後14日以内に羅網し、その後は観察されなかった。網目が展開している網の面積は、いずれの刺網も時間経過とともに減少して0となった。これは刺網が持つ漁獲機能のうち、特定の層を遊泳する生物の通路を遮断する機能と、生物を網目に刺させる機能が無くなったことを意味する。
著者
本多 直人 松下 吉樹
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.701-703, 2009 (Released:2009-10-09)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

海中を潜行するエチゼンクラゲをスキューバ潜水により追跡し,深度変化を計測することで,遊泳速力を求めた。傘径 0.6~1.6 m の 14 個体の遊泳速力は,最小 0.07 ms-1,最大 0.17 ms-1 であった。傘径を B とすると,遊泳速力=0.1 B s-1,一拍動あたりの推進距離=0.25 B の関係が求められた。傘径 1~1.5 m の大型個体でも遊泳速力は約 0.1~0.15 ms-1 となるため,対馬暖流の流軸上や強い潮流の中では,流向と逆方向への移動はできないと推測される。また,エチゼンクラゲの遊泳速力は,ほとんどの場合に漁獲対象とする魚類の遊泳速力より小さいと推測される。
著者
藤田 薫 松下 吉樹 本多 直人 山崎 慎太郎 小林 正三
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.495-504, 2007-05-15
被引用文献数
1

現用の小型底びき網のグランドロープをコントロールとして,直径が約2倍のグランドロープを持つ小型底びき網のサイズ選択性を,拡張したSELECTモデルにより評価した。ガンゾウビラメとマトウダイは小型個体ほど,アカシクビラメとクロウシノシタは大型個体ほど選択率が低くなった。ホウボウは全長と選択率の関係に明確な傾向は見られず,漁獲個体数も変わらなかった。種やサイズによって選択性に相違があったことから,グランドロープの太さを選択漁獲に利用できる可能性がある。
著者
松下 吉樹 本多 直人 藤田 薫
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.10, pp.15-17, 2004-03
被引用文献数
3

3種類の刺網を千葉県館山湾奥部の水域に20~37日間設置した。その後潜水観察を行い、羅網した生物と網成りの変化を記録した。刺網には27個体の魚類と甲殻類が設置後14日以内に羅網し、その後は観察されなかった。網目が展開している網の面積は、いずれの刺網も時間経過とともに減少して0となった。これは刺網が持つ漁獲機能のうち、特定の層を遊泳する生物の通路を遮断する機能と、生物を網目に刺させる機能が無くなったことを意味する。