著者
本郷 次雄
出版者
日本きのこセンター菌蕈研究所
巻号頁・発行日
no.39, pp.28-31, 2002 (Released:2011-03-05)

Phaeocollybia lugubris(新称:アカアシナガタケ)およびRussula melliolens(新称:ヨヘイジモドキ)のハラタケ目の2種を日本新産種として報告した。
著者
本郷 次雄
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.31-41, 1977

1976年11月10日より11月29日の間, 小笠原諸島の菌類調査を行なったが, そのさいの採集品のうち, 分類学的もしくは生物地理学的に興味深いもの10種をここに報告する。 1) Anthracophyllum nigrita (LEV.) KALCHBR.ネッタイカタハ(新称)だいだい色∿かば色, 皮質のヒラタケ型の菌で, ひだの組織はKOH液で青緑色に変わる。熱帯∿亜熱帯性. 2) Mycena chlorophos (BERK. & CURT.) SACC.ヤコウタケ熱帯∿亜熱帯性の発光菌である. 3) Xeromphalina tenuipes (SCHW.) A.H.SM.ビロウドエノキタケ(新称)ややエノキタケに似るが, 茎だけでなくかさの表面も微毛におおわれる。熱帯∿亜熱帯に広く分布。筆者は屋久島でも採集したことがある. 4) Lepiota subtropica HONGOムニンヒナキツネガサ(新種)ナカグロヒメカラカサタケL.praetervisa HONGOなどに近縁の小形種。 5) Ripartitella brasiliensis (SPEG.) SING.ニセキツネノカラカサ(新称)外観はカラカサタケ属Lepiotaに似ているが, 胞子が細かいとげ状突起におおわれる点, ならびにシスチジアがザラミノシメジ型である点はきわめて特徴的である。従来は北米∿南米からのみ知られていた種類で, 分布的にも興味深い。熱帯∿亜熱帯性。 6) Panaeolus tropicalis OLA'Hアイゾメヒカゲタケ(新称)子実体が帯緑青色に変色すること, および厚膜のシスチジアが存在することがいちじるしい特徴である。近縁のP. cyanescens (BERK. & BR.)SACC.に比し胞子が小形である。広く熱帯に分布. 7) Psathyrella stellatifurfuracea(S. ITO & IMAI) S. ITOキラライタチタケ故伊藤・今井両博士によって小笠原(父島)から記載された菌であるが, 原記載が簡単なためここに英文記載を補足した. 8) Rhodophyllus glutiniceps HONGOアイイッポンシメジ(新種)ウスムラサキイッポンシメジR. madidus (FR.) QUEL.に似るがずっと小形で, かさは粘液におおわれ, 茎は白い。 9) Suillus granulatus (FR.) O. KUNTZEチチアワタケリュウキュウマツとともに持ち込まれたもので, 本来の小笠原の種類ではない。 10) Lactarius akahatsu TANAKAアカハツ前種と同様にリュウキュウマツとともに移入されたものである。L. semisanguifluus HEIM & LECLAIRにきわめて近縁で, もし両者が同一種であることが判明すれば, 学名としては田中氏のものを用いるべきである。
著者
本郷 次雄
出版者
日本きのこセンター菌蕈研究所
雑誌
菌蕈研究所研究報告 (ISSN:03888266)
巻号頁・発行日
no.39, pp.28-31, 2001

Phaeocollybia lugubris(新称:アカアシナガタケ)およびRussula melliolens(新称:ヨヘイジモドキ)のハラタケ目の2種を日本新産種として報告した。
著者
服部 力 本郷 次雄
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p63-67, 1990-12
被引用文献数
2

Wood-decaying Hymenomycetes were collected in Amami-oshima Isl. (Kagoshima Pref.) mainly in 1989. Some tropical species were found for the first time from the Island. The distribution patterns of the species found from the Island are as follows. Species widely distributed in Japan : Bjerkandera adusta, Daedaleopsis confragosa, Coltricia montagnei, Hymenochaete mougeotii, Ganoderma lipsiense. Species distributed from the tropical region to the warmer region along the Pacific Ocean : Dictyopanus gloeocystidiatus, Corticium argenteum, Microporus flabelliformis, Nigroporus vinosus, Cyclomyces tabacinus, Phellinus umbrinellus, Polystictus substygius. Species distributed from the tropical region to the southern part of Kyushu (and/or occasionally to Honshu, Shikoku) : Cymatoderma lamellatum, Lenzites platyphylla, Loweporus fusco-purpureus, Tinctoporellus epimiltinus, Trametes rhodophaea, Phellinus mcgregorii. Species distributed from the tropical region to the southern part of the Cape Sada-misaki, Ohsumi Pen., Kagoshima Pref. : Panus fulvus, Erythromyces crocicreas. Species distributed from the tropical region to Amami-oshima Isl. or to Tane-ga-shima Isl. : Oudemansiella canarii, Daedalea aurora, Nigrofomes melanoporus, Trametes retropicta. Daedalea aurora and Nigrofomes melanoporus have been recorded only from Iriomote Isl. in Japan. Most species collected from the Island were warm temperate, subtropical or tropical species.
著者
本郷 次雄
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.p319-323, 1978-10
被引用文献数
1
著者
本郷 次雄
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.116-126, 1982-04-20
著者
長沢 栄史 下野 義人 本郷 次雄
出版者
日本きのこセンター菌蕈研究所
雑誌
財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所研究報告 = Reports of the Tottori Mycological Institute (ISSN:03888266)
巻号頁・発行日
no.38, pp.6-13, 2000-12 (Released:2011-03-05)

従来日本から未記録であったモエギタケ科のきのこ,Hypholoma tuberosum Redhead & Kroeger(キンカクイチメガサ/菌核市女傘:新称)の日本における発生について報告した.本種は1987年にカナダ,バンクーバー産の標本に基づいて新種記載された比較的新しい種類であるが,Hypholoma(=Naematoloma)クリタケ属において菌核を形成する点を著しい特徴とする.カナダからの報告以後は,オーストラリアおよびベルギーから報告されているのみであった.菌核は地中に形成され,褐色で不規則に歪み,大きさは通常10-30×10-25×10-20mm.子実体は一つの菌核から1-5個生じ,比較的小形.かさは径2-4cm位,黄土色~帯褐橙色で湿時やや粘性を帯びる.柄はつばを欠き,傘より淡色で細長く,菌核が土に深く埋っているときは基部が根状に長く伸びる.胞子紋は暗紫褐色.胞子は楕円形で発芽孔を有し,大きさ8.5-12×5-6.5μm(平均10×5.5μm).日本では秋,芝生,畑,公園内の植木の下,あるいは花壇などに発生し,鳥取県(鳥取市),京都府(京都市),大阪府(高槻市)および新潟県(上越市)で発見されている.国内における生態および分布の状況から推察して,本菌は恐らく外国からの移入種であり,また,国内に広く分布しているのではないかと考えられる.

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著者
今関六也本郷次雄共著
出版者
保育社
巻号頁・発行日
1973