著者
朴 東燮 茂呂 雄二
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.146-161, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
66
被引用文献数
2 1

この論文では,バフチンの対話概念の適用可能性を議論した。まず,バフチンの対話性の概念を概説した。次に,学習発達に関する研究領域の動向を概観して,学習を社会過程と見なす方向に動いていることを確認した。この領域における理論的問題の二つの焦点が,状況の対話組織化と,言語実践のレパートリーのアイディアにあることを特定した。そして,この二つの理論的問題を考える上で,対話性の概念が有効であることを,子どもの相互行為データを用いて例証した。