著者
高橋 行俊 篠永 英之 杉山 敬三 福家 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PS, 光スイッチング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.71, pp.39-44, 2003-05-22
参考文献数
8

離島の遠隔医療システムと小中学校ネットワークの構築を目的に2.4GHz帯無線LANシステムを用いて行われている鹿児島県奄美大島本島・離島間遠隔医療実験プロジェクトの紹介と、同様無線LANシステムを用いて10km以上離れた大学キャンパス施設間を結ぶネットワーク構築を目的に行った伝送実験の結果について報告する。
著者
泉川 晴紀 安永 隆一 鯨井 勝弘 寺地 重巡 白井 良和 小林 直 杉山 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.361-365, 2013-02-28

筆者らは,セルラシステムなどの無線システムのカバレッジマップ/カバレッジホールマップを,受信信号強度や受信信号品質といった無線品質情報と位置情報とから構成される移動端末からの測定レポートにより構築する検討を行っており,3GPPにおいてもMDT(Minimization of Drive Tests)と呼ばれる同様の取り組みがなされている.それらの取り組みでは,受信信号強度や受信信号品質が所定閥値以下になる事象を測定レポートの生成トリガにすることを想定している.ここで,当該マップの用途としては,無線サービス品質向上を目的としたカバレッジ最適化や基地局増設等であると考えられるが,前述の受信信号強度や受信信号品質といった無線信号|青報のみに基づいたレポートトリガでは,例えばトラヒック集中による通信品質低下を検出することが難しく,無線サービス晶質向上に資する上で十分とは言えない.そこで,本稿では,利用されるアプリケーション毎のトラヒック利用状況(受信トラヒック量の変動や上り方向/下り方向のパケット数比率等)を移動端末内で学習し,当該学習結果を元に新たに発生したトラヒックの品質に対する良否を推定する手法を提案する.本手法に基づく測定レポートトリガにより,(無線品質は良好だが)いつもよりもレスポンスが遅い,といった主観的な通信品質(QoE; Quality ofExperience)低下事象の検出が可能になることが期待される.提案手法を実装したスマートフォンの被験者利用に基づく予備評価の結果,QoE低下事象を75%の割合で検出できた.
著者
杉山 敬三 入内嶋 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.20, pp.13-16, 2010-04-19
被引用文献数
1

携帯電話基地局はKDDI全体の消費電力の約6割を占めており、その省電力化は大きな課題である。これまでKDDIでは、基地局の小型化や設備冷却用空調が不要な(エアコンレス)屋外対応基地局の導入など様々な省電力化への取り組みを進めているが、今回、次世代の省電力化を目指すために、太陽光パネルで発電された電力、深夜電力により蓄電池に充電された電力、商用電力の3つの電力を制御するトライブリッド方式の運用を開始した。本技術により、同タイプの基地局と比較し、20〜30%の電力消費量とCO_2排出量の削減を見込んでいる。
著者
金子 尚史 植田 哲郎 野村 眞吾 杉山 敬三 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.153-158, 2006-11-22
被引用文献数
7

大規模災害発生時の問題の一つとして,通信インフラ障害による被災地との通信の断絶がある.被災者の安否確認や救援作業を迅速・的確に行うために,通信インフラを早急に確立することは重要である.通信インフラを早急に確立する有力な手段として,コグニティブ無線を用いた可搬型の基地局による自律的なネットワーク構築が検討されている[1][2].コグニティブ無線では,周辺の無線環境を認識し最適な無線メディア(無線リソース)を選択することから,無線環境を正しく認識することが重要であり,現在の無線環境のみならず無線環境を予測することが出来れば,さらなる周波数利用効率の向上やスループット向上等が期待できる.本稿では,コグニティブ無線基地局の無線メディアの有力な候補のひとつであるIEEE802.11(無線LAN)における無線環境認識・予測について検討を行った.無線環境情報が送信される周期が比較的長い場合を想定し,実環境での無線LANキャプチャデータから実測値と予測値との比較を行った.その結果,回帰直線による予測値は,良くても平均値を用いた場合と同程度であった.
著者
吉原 貴仁 杉山 敬三 中尾 康二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.17, pp.13-18, 2000-04-21
被引用文献数
1

(Simple Network Management Protocol)などの網管理方式(以下, 集中管理方式と呼ぶ)では網管理処理が管理ノードに集中し, また, 網管理情報収集の際のポーリングに必要な帯域が被管理ノード数の増加とともに増大するため, 大規模網への適用に限界があるなどの問題が指摘されている.このため, 網管理処理の一部を記述した管理スクリプトを被管理ノードに投入して実行する管理方式(以下, 分散管理方式と呼ぶ)の提案がある.しかしながら, 分散管理方式では被管理ノードの処理負荷を考慮せずに管理スクリプトが投入されるため, 特定の被管理ノードに処理負荷が偏り, 必ずしも網全体で処理負荷の均衡が保てない問題点がある.本稿ではこの問題点を解決するため, 管理ノードや被管理ノードの処理負荷および管理スクリプトの実行にともなうポーリングや通知に必要な帯域に基づき, 管理ノードや被管理ノードなどで網管理処理の動的な負荷分散を図る, 動的負荷分散アルゴリズムを提案する.また, アルゴリズムを実装し, 実環境評価を行う.