著者
吉岡 大輔 杉浦 一徳 中嶋 剛太
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.91-96, 2017-06-21

二次元(アニメや漫画)と三次元(現実世界での動き)を融合した2.5次元とも呼べるコンテンツの一つとして,美少女・美少年着ぐるみ(Animegao Kigurumi),具体的にはコスプレや着ぐるみといったコンテンツのキャラクターに扮する活動が広がっている.本研究では,これら着ぐるみを楽しむ環境を拡大していく上で必要となるリテラシーに着目し,それらを1)実世界,2)インターネットの双方を活用することによってコミュニティ内で共有し,経験の共有へとつなげ,着ぐるみを発展させてゆく手法の確立を目指す.具体的には着ぐるみ活動を1)着ぐるみマスク入手・制作過程,2)着ぐるみ体験,3)着ぐるみイベントの参加,の3つに区分し,それぞれにおいて必要となる経験共有を伴ったリテラシーの共有手法について,インターネットを活用した共有基盤,ならびに実世界活動を連携することによって実現した.実証実験としてのワークショップ,イベントを例にネットワークを活用することによって効率的な経験共有を実現し,着ぐるみコミュニティの発展につながっていくための手法を提言する.本研究によって,着ぐるみ活動がより効率的に,かつグローバルに展開することが可能である事が立証できた.
著者
作田耀子 塚原康仁 村瀬結衣 仲倉利浩 杉浦一徳
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.373-379, 2014-07-02

インターネットを活用してイベントを支援し,参加者により充実したものを提供する取り組みは試行として様々な形で行われている.近年のコスプレイベントでは,参加者の中での既存のコミュニティと統合的な情報不足により,交流に関して閉鎖的な空間となりつつある.初対面の相手同士で,当日に確認できる情報は実際の外見の情報のみであり,交流を支援するような情報共有環境は構築されていない.本研究では,コスプレイベント活動支援環境COSUEの実現と評価を行った.イベント開催前にCOSUEに参加者情報を登録し,イベント開催前と開催中に個々の携帯電話から情報共有を実現する相互支援環境を構築した.初期実験では,参加者の当日のコスプレ作品,キャラクター,コンテンツの嗜好,楽しみ方のタイプの情報を提供する.その上でタイプが合う者同士をマッチングし,その情報の共有を行う.実際のコスプレイベントを想定した実験場面において,参加者に本システムを使用させ,その結果から評価を行った.初期実験では参加者のタイプを明確にし,その情報を活用する事で情報共有環境を実現した.交流履歴と参加者のタイプの相関は見られなかった.またイベントの特徴上,イベント中に携帯を確認しにくいため,サイネージなどを活用した情報共有基盤の必要背景を確認した.今後タイプの定義と情報の提供方法について検討する必要がある.
著者
頴原 桂二郎 小川 晃通 杉浦 一徳 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DPS,マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.79-83, 2001-10-19

本研究では,BSDの経路表を多段化し,D旧servにおけるサービス区分を表わすDSCPの値ごとに経路表を選択できる援構およびそれらを操作するインターフェイスを実装した.DSCPを経路制御に結びつく要素とし,有線・衛星など明らかに異なる特性を持ろリンクを利用した経路を効率良く切り替えることは有用である.このようにDSCPに特別の意味を持たせD旧servのサービス区分をもとに経由すべき経路を選択できるようにすることで,よりサービスに適したパケット転送が可能となる.本実装は2001年春のWIDE合宿のバックボーンで地上・衛星回線の選択に使用され,その有用性を確認するとともに評価をおこなった.また,追加される経路が小規模であると予想されたため,経路表の切り替えおよび経路計算は線的なものとしているが,規模性を考慮した場合,メモリ使用量・計算時間など改善の余地は多く,この点についても考察する.
著者
遠峰 隆史 久松 剛 杉浦 一徳 中村 修 村井 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.470, pp.5-8, 2005-12-08

インターネットを用いた複数地点間での映画, 音楽の共同制作をリアルタイムに行うには, 伝送メディア長, 途中経路などによる, データ到達時間の差異を考慮しなければならない. 本研究では, 異なる2地点間における遠隔協調演奏を実現する上で問題となる, リズム管理手法に着目した. 2地点間のネットワーク遅延を演奏者が知覚するためのアプリケーションとして, インターネット・メトロノームの設計・実装を行った. 本実装をもとに, 「愛・地球博」のクロージングフォーラムにおいて, 日蘭間でのジャズセッションによる実証実験を行った.