著者
劉 冠偉 李 媛 池田 証壽
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.203-208, 2020-12-05

本研究は国語学国文学の研究における重要文献の観智院本『類聚名義抄』を対象に,漢字字形共有データベースGlyphWikiによるその写本字形を再現することを目標とする.筆写体である字形を可能な限り字体上の特徴を残し,書写の影響を捨象して活字化を行う.本稿はGlyphWikiで再現した字形とその利用についての詳細を報告する.
著者
劉 冠偉 李 媛 池田 証壽
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.83-88, 2018-11-24

近年,スマートフォンやタブレットのようなモバイル端末が普及し,日常生活を変えつつあり,日本語教育・日本語研究にも使えるようになると予想される.しかしながら,構築・公開が盛んである古典籍・古文書のデータベースはPC 向けが多く,PC 以外の端末で利用する際は表示サイズのずれや機能障害がしばしば発生する.そこで,筆頭著者(劉)はモバイル端末でデータベースを利用しているユーザを想定した利便性が高い言語資源データベースのWeb APP「HDIC Viewer」を開発した.今回は,さらに利便性の向上を主題とする.篆隷万象名義のほか,大広益会玉篇と新撰字鏡を加え,三つの古辞書間の横断検索の実現,IDS 漢字検索の改善,Web API の提供について述べる.
著者
池田 証壽 李 媛 申 雄哲 賈 智 斎木 正直
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.68-75, 2016 (Released:2017-03-03)
参考文献数
12

『篆隷万象名義』、『新撰字鏡』、『類聚名義抄』(図書寮本・観智院本)は、いずれも、平安時代、僧侶によって編纂された部首分類体の字書(本稿では「漢字字書」と呼ぶ)である。それらのデータベース構築は、各掲出字の一字ごとの画像データベースを作成し、元となった中国側の漢字字書や韻書の電子テキストを利用・作成し、それらの連携(リレーションシップ)をとって行う方法が正確かつ効率的である。本稿では、まず、入力できない文字の処理、次に翻字本文の作成・原本画像利用に関する所蔵者の許諾について言及した上で、典拠関連資料との照合と本文解読の効率化の方法を論じる。あわせて、このデータベース構築・利用によって、新たな研究課題が見出せることを示す。
著者
劉 冠偉 李 媛 池田 証壽
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-8, 2015-05-09

我々の研究室では,日本の平安時代 (中古) に編纂された漢字字書である 『篆隷万象名義』・『新撰字鏡』・『類聚名義抄』 を総合したデータベースを構築している.中国撰述の 『玉篇』 系字書のデータベースを独自に構築し,それを土台として,公開済みの 『説文解字』 や 『広韻』 データをも参照して,対象字書の本文入力と校正を進めている.これらのデータは漢字データが中心であり,和訓 (日本語) のデータが未整備である.平安時代漢字字書の和訓の同定の方法として,室町時代 (中世),江戸時代 (近世),明治時代 (近代) の漢和字書のデータを追加すれば,より効率的かつ正確に行うことができると考えられる.中世は 『和玉篇』,近世は 『増続大広益会玉篇大全』 (毛利貞斎),近代は 『大字典』 (上田萬年) を拡張の候補としている.この発表では,まず,平安時代漢字字書総合データベースの現状を述べ,次に,試みに拡張した 『大字典』 データベースの概要を報告する.
著者
李 媛英
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

中部地方の自治体職員を対象とした愛知職域コホート研究対象者のうち、平成14年ベースライン時血清保存と、その後の追跡調査に協力が得られた35歳から66歳の2,846名を解析対象とした。血清GAD抗体はAlphaLISA法を用いて測定した。約10年間の追跡期間中に221名が糖尿病を発症した。GAD抗体の有無によって、性別、年齢を調整した糖尿病のハザード比:1.37 (95%信頼区間:0.92-2.04)であり、更に、閉経有無、喫煙状態、body mass index、運動習慣、空腹時血糖値を補正しても関連性は大きく変化なかった。本研究集団ではGAD抗体と糖尿病発症との関連は認められなかった。