著者
石塚 晴通 池田 証寿 高田 智和 岡墻 裕剛 斎木 正直
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.339-346, 2011-12-03

漢字字体の各時代・各地域の標準と,その変遷を見る上では,漢字字体規範でデータベース(略称HNG)は有用な資料である。HNG は,初唐標準字体に至る中国南北朝・隋文献における標準字体の存在と中国周辺民族の漢字文献における標準字体を示し,また日本上代から近世初期に至る漢字文献における漢字字体を示す。HNGはそれ自体としては確固たる結論には結びつかないが,発展性のあるテーマの観点を示し得ることを,親鸞の著作と明恵の著作との対比を例として述べる。
著者
池田 証壽 鈴木 慎吾 永崎 研宣 大槻 信 斎木 正直
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

日本の平安時代に僧侶の手によって編纂された漢字字書である高山寺本『篆隷万象名義』、天治本『新撰字鏡』、図書寮本『類聚名義抄』、観智院本『類聚名義抄』の四書は当時の日本人による漢字研究の優れた成果であり、人文学研究の基礎資料となっている。しかし、いずれも古写本であるため、崩し字や異体字が多く、解読に困難が多い。上記の四書のうち観智院本『類聚名義抄』は、収録の和訓が『日本国語大辞典』等に多数収録される重要資料であるが、これまでに全文の活字翻刻はなかった。本研究では観智院本『類聚名義抄』の全文翻刻と注釈を作成して、その内容をインターネット上に公開し、自在に検索できるようにすることを目指す。
著者
池田 証壽 李 媛 申 雄哲 賈 智 斎木 正直
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.68-75, 2016 (Released:2017-03-03)
参考文献数
12

『篆隷万象名義』、『新撰字鏡』、『類聚名義抄』(図書寮本・観智院本)は、いずれも、平安時代、僧侶によって編纂された部首分類体の字書(本稿では「漢字字書」と呼ぶ)である。それらのデータベース構築は、各掲出字の一字ごとの画像データベースを作成し、元となった中国側の漢字字書や韻書の電子テキストを利用・作成し、それらの連携(リレーションシップ)をとって行う方法が正確かつ効率的である。本稿では、まず、入力できない文字の処理、次に翻字本文の作成・原本画像利用に関する所蔵者の許諾について言及した上で、典拠関連資料との照合と本文解読の効率化の方法を論じる。あわせて、このデータベース構築・利用によって、新たな研究課題が見出せることを示す。
著者
岡墻裕剛 石塚晴通 斎木 正直
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.47, pp.69-76, 2008-05-16
参考文献数
13

「漢字字体規範データベース」(略称 HNG ) は,2004 年度よりオンラインで公開中のデータベースである。2008 年 4 月現在,各時代・各地域の標準的な文献 62 点に出現する 4 554 字種 432 596 字について,漢字の字種・字体・字形や字体規範に関する情報が検索可能である。この 62 文献について,各文献における字種数.字体数.総字数・異体字率を集計した。異体字率は文献の性質を示す指針となり,IDIG で取り扱っている文献の多く力轤準的な文献であることが確認できる。また,lDlG では複数の文献間での字体整理は行われていないが,その方法には一定の基準が必要であり,本稿では部首が「心」となる漢字を取り上げ,実例を交え報告を行う。Database of the normative glyphs in Hanzi script (abbreviation HNG) is a big data base, which is opening to the public online from 2005. Now HNG shows information of 4,554 character type 432,596 characters that appear in 62 standard documents. To use HNG, we can get the information of Chinese character, for example Zitai (standard of writing), Zikei (shape itsetf), and so much. We research the number of characters and character types, Zitai, and the rate of Itaizi (another from). We also report about the way to an adjustment of HNG, by the point of Zitai, giving an example of radical of 心.