著者
皿澤 克彦 中野 顕 川人 充知 荒川 健一郎 宇隨 弘泰 見附 保彦 上田 孝典 李 鍾大
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.62-66, 2009 (Released:2013-05-02)
参考文献数
7

症例は30歳, 男性. 健康診断のため近医受診し, 心電図検査を受けた直後に突然意識消失.心室細動を認め, 心肺蘇生が施された. 電気的除細動を含む約40分の心肺蘇生にて洞調律に回復し, 当院に搬送された. ICU入室しカテコラミンの大量投与などにて入院3日目に人工呼吸器を離脱, 当初みられた低酸素脳症による記銘力障害も, 約2週間で全快した. 健診の心電図では全誘導にJ waveを認め, 入院後は日内変動を伴うV1,2でのsaddle-back型からcoved型へのST上昇を認め, Brugada症候群を疑った. 入院約4週間後に植込み型除細動器の移植術を施行した. 発作直前を含めて経時的に特異な心電図変化を認めた, 特発性心室細動蘇生成功症例を経験した.
著者
後藤 伸之 白波瀬 正樹 八田 寿夫 政田 幹夫 李 鍾大 坪川 明義 清水 寛正 上田 孝典 中村 徹 北澤 式文
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.725-730, 1996-12-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

We performed a pharmacoepidemiological study on the effect of different types of questionnaires on coughing and the prevalence of this symptom in out-patients taking angiotensin converting enzyme inhibitors (ACEI) in Fukui Medical School Hospital.The following three types of quentionnaires were prepared:Type 1 ; Questionnaire asking whether the patient has a cough or no after implying that ACEI might cause this symptom.Type 2 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI, including coughing.Type 3 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI other than coughing.All questionnaires included a blank space in which the patients were asked to write any adverse effects. The patients were randomly divided into three groups. Each group was given one of the three questionnaires. In the type 3 questionnaire, no patient com-plained of coughing. The prevalence of cough was higher in type 1 questionnaire than in type 2 quetionnaire patients. These results indicate that the prevalence of adverse effects varies greatly depending the type of questions in the questionnaire.
著者
山口 順也 天谷 直貴 前田 千代 佐藤 岳彦 森下 哲司 石田 健太郎 荒川 健一郎 宇隨 弘泰 李 鍾大 夛田 浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.SUPPL.3, pp.S3_54-S3_60, 2013 (Released:2015-01-09)
参考文献数
10

発作性房室ブロックは, 心房興奮が予期せず突然に心室に伝導しなくなる病態と定義され, 長時間の心停止を生じるため, 繰り返す失神や突然死の原因となることが知られている. 本例は63歳, 男性. 主訴は眼前暗黒感・意識消失. 2010年 5月に意識消失発作あり近医を受診. 非通常型心房粗動と房室伝導能低下に伴う心室ポーズを認め, 当院に紹介. 心臓超音波検査では軽~中等度の僧帽弁狭窄を認めた. 当院入院後には心房粗動下に最大13秒の心室ポーズがみられ, その際には失神前駆症状を伴っていた. 恒久ペースメーカーの適応と判断したが, まずは心房粗動の治療を優先し心臓電気生理検査を施行. CARTOを用いてマッピングしたところ, 左房天蓋部に瘢痕領域を認めた. Activation mapにて左房天蓋部の瘢痕領域と右上肺静脈の天井との間を後壁側から前壁側に旋回する心房粗動と同定した. 瘢痕領域から右上肺静脈の天井にかけての線状焼灼にて心房粗動は停止し, 以後心房粗動は誘発不能となった. 洞調律に復帰後にはAH・HV時間の延長なく, また, 房室伝導能も正常であった. さらに, 治療後には房室ブロックに伴う心停止は消失した. その後は房室ブロックの再燃なく, ペースメーカーなしで経過している. 僧帽弁狭窄に伴う非通常型心房粗動で, 心房粗動時にのみ発作性房室ブロックした稀有な 1例を経験したので報告する.
著者
皿澤 克彦 中野 顕 川人 充知 荒川 健一郎 宇隨 弘泰 見附 保彦 上田 孝典 李 鍾大
出版者
財団法人日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.62-66, 2009

症例は30歳, 男性. 健康診断のため近医受診し, 心電図検査を受けた直後に突然意識消失.<BR>心室細動を認め, 心肺蘇生が施された. 電気的除細動を含む約40分の心肺蘇生にて洞調律に回復し, 当院に搬送された. ICU入室しカテコラミンの大量投与などにて入院3日目に人工呼吸器を離脱, 当初みられた低酸素脳症による記銘力障害も, 約2週間で全快した. 健診の心電図では全誘導にJ waveを認め, 入院後は日内変動を伴うV<sup>1,2</sup>でのsaddle-back型からcoved型へのST上昇を認め, Brugada症候群を疑った. 入院約4週間後に植込み型除細動器の移植術を施行した. 発作直前を含めて経時的に特異な心電図変化を認めた, 特発性心室細動蘇生成功症例を経験した.