著者
後藤 伸之 白波瀬 正樹 八田 寿夫 政田 幹夫 李 鍾大 坪川 明義 清水 寛正 上田 孝典 中村 徹 北澤 式文
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.725-730, 1996-12-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

We performed a pharmacoepidemiological study on the effect of different types of questionnaires on coughing and the prevalence of this symptom in out-patients taking angiotensin converting enzyme inhibitors (ACEI) in Fukui Medical School Hospital.The following three types of quentionnaires were prepared:Type 1 ; Questionnaire asking whether the patient has a cough or no after implying that ACEI might cause this symptom.Type 2 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI, including coughing.Type 3 ; Questionnaire on the general adverse effects of ACEI other than coughing.All questionnaires included a blank space in which the patients were asked to write any adverse effects. The patients were randomly divided into three groups. Each group was given one of the three questionnaires. In the type 3 questionnaire, no patient com-plained of coughing. The prevalence of cough was higher in type 1 questionnaire than in type 2 quetionnaire patients. These results indicate that the prevalence of adverse effects varies greatly depending the type of questions in the questionnaire.
著者
葛西 駿 及川 拓弥 木村 純 小川 弘貴 三島 友義 中村 徹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.136, no.4, pp.444-448, 2016

This paper demonstrates the impact of tilted Mg ion implantation for the threshold voltage control of GaN MISFETs for the first time. The threshold voltage of the MISFETs by using Mg implantation shifts up to -1 V, whereas that without Mg ion implantation is about -8 V. The GaN MISFET achieved maximum drain current of 165 mA/mm and an extrinsic transconductance of 30 mS/mm. These results indicate a definite availability of our process in normally-off GaN MISFETs for power switching device applications.
著者
中村徹 渡辺龍 清本晋作 高崎晴夫 三宅優
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.13-20, 2015-01-15

筆者らは2011年より,データ対象者のプライバシーを適切に保護できるパーソナルデータ流通基盤として,Privacy Policy Manager(PPM)の設計と開発を行ってきた.本稿では特にプライバシー保護の観点から必要となる要件定義を中心として,PPMの設計について説明する.次に筆者らがこれまで進めてきたPPMのプロトタイプ開発について紹介する.さらに,2013年に行ったPPMの実証実験,および経産省ベストプラクティス認定について紹介する.
著者
中村 徹 林 一六 田村 憲司 上條 隆志 荒木 眞之
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

ユーラシア大陸の北緯50度前後を、東西8,000キロに及ぶ大草原(ステップ)のベルトがある。このステップを平成15年から平成18年に生態調査した。調査項目は1)植物相調査、2)植物社会学的植生調査、3)ワク法による種組成と現存量の調査、4)土壌断面調査である。この結果,次のような新たな知見が得られた。1)植物相調査では、カザフスタン・モンゴル国境を境に、西側と東側とで植物相が大いに異なること、さらに、モンゴル・中国内蒙古と日本とを比較すると、草原では植物相が大きく異なるのに対し、湿地では類似している、ことが明らかになった。2)植物社会学的植生調査により、やはり、アルタイ・天山両山脈を境に、種組成に基づいた群落が大きく異なることが明らかになった。また、降水量などの気候条件と、人為の種類と強度によっても群落が異なる。3)ワク法による調査の結果、耕作などの放棄後の遷移系列を類推することができた。また、放棄後10年前後で種多様性が最大になること、および現存量は場所によって大きく異なり、450-1000kg/haの炭素が蓄積されていることなどが判明した。4)土壌断面調査では、各国数カ所ずつの土壌断面を作成した結果、やはり西側と東側とでステップの土壌が異なることが明らかになった。西側では、やや降水量が多いこともあり、色の黒いチェルノーゼムが主体であり、東側では色が薄く、カスタノーゼムが主体である。以上を総括すると、カザフスタン・モンゴル国境付近のアルタイ・天山両山脈を境界に、東と西とでは、植物相、植物群落、土壌が大きく異なる。この原因として、1)標高の高い山脈を植物が乗り越えられず、種の交流が少ないこと、2)東側は降水量がやや少なく乾燥に傾いているが、西側は逆に降水量がやや多いこと、3)人為の種類も、東側は放牧が中心であるのに対し、西側では耕作が主体であること、などがあげられる。
著者
小島 久子 鞠子 茂 中村 徹 林 一六
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.55-64, 2003

長野県菅平にある筑波大学の樹木園に植栽されたブナとミズナラの開葉時期と,葉の霜に対する耐性について実験を行った.実験にはマイナス5度以下に調節できる生育箱と野外で同じような冷却条件が与えられる自然放射冷却装置を製作して用いた.この自然放射冷却装置は既報の論文を参考にこの実験のために製作した.同時にブナ群落の分布限界とされている黒松内を中心とした北海道南部各地の温量指数と遅霜出現時期を検討した.開葉時期は1988年から1994年までの7年間記録し,その平均を求めた.それによると,ブナはミズナラより平均10日ほど早く開葉し,それに要する日温量指数はブナで平均113℃日,ミズナラで182℃日であった.一方,開葉したばかりの葉の霜に対する耐性の実験では,ブナの開葉したばかりの葉は霜に遭うと枯死し,開葉前の芽の段階では霜にあっても枯死しなかった.ミズナラは枝の先端に複数の冬芽を付け,若葉が霜で枯れても側芽が開葉し,その後成長できた.それにたいして,ブナの頂芽は前年の8月ころから形成され,側芽をもたないので,開葉後,遅霜に遭うとその後の成長ができなかった.ミズナラは,開葉時期が遅いことと,側芽を持つことによって,遅霜の害を回避している.開葉時期の遅れは,遅霜のない地域では光合成の開始時期の遅れとなり,物質生産においてブナに対して不利である.ブナは光合成を早く開始する代わりに遅霜に遭遇する危険をもつ.この二つの実験から,ブナは日温量指数が113℃日に達した後遅霜がある地域には自然には分布できないが,ミズナラは上に述べた生態的特性によってその地域でも分布でき,より北に分布を広げることができると思われる.日温量指数が113℃日に達した後に遅霜がある地域を北海道南部で調べてみると,倶知安と岩見沢が相当する.ブナが分布できる黒松内と倶知安のあいだには羊蹄山,ニセコアンヌプリなどの山塊があり,この山塊付近が113℃日に達した後遅霜がある地域に当たりブナの自然分布を妨げていると考えられる.これをブナの北限を説明する開葉時期-遅霜仮説とする.この仮説から,日温量指数が113℃日に達する前に最後の遅霜のある地域では黒松内以北でもブナは生育できるので,人為的に植えればブナは生育できるであろう.
著者
中村 徹
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.10-19, 2006

<p>燃料電池自動車の普及実現のために注意深く検討しなければならない問題の一つとして,水素ステーションのリスク評価がある.リスク評価によって明らかにされたリスクをどのように制御・低減していくかがプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではない.市街地設置を前提とした水素ステーションの設置場所選定と設計に必要な対策を,設置場所の立地環境・関与する人・設備(必要な安全対策レベル)の面からリスク評価することによって,実規模水素ステーションの設計へ反映させることが望まれる.</p>
著者
建元 喜寿 中村 徹
出版者
日本野外教育学会
雑誌
野外教育研究 (ISSN:13439634)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.13-19, 1998 (Released:2010-10-21)
参考文献数
23
被引用文献数
5

In some skiing areas, the use of ammonium sulfate especially for preparing the snow for ski racing is popular. Although many people are afraid of its effect on natural environment, until now few have beenresearched about this problem because only the people who are concerned with skiing know the fact.We, therefore, studied the actual situation of using ammonium sulfate in skiing areas. The main foundingswere as follows.1. The reason for using chemicals in skiing areas are mainly1.1 to prevent the melting of snow or to prepare the snow for racing, 1.2 to melt the ice on the road, 1.3 to make artificial snow, 1.4 to accelerate the growth of plants during the summer.2. For the same purpose, the use of ammonium sulfates become common after the 1970's instead of salt.The reason were salt damaged the vegetation on skiing areas and ammonium sulfates hardens the snow at a verylow cost.3. The amount of ammonium sulfate used in skiing areas is more than the amount of fertilizer nitrogen used insome agricultural land where water pollution has been observed.4. Ammonium sulfate which is used especially for preparing the snow for racing, affects the vegetation inskiing areas.The result suggest that the amount of ammonium sulfate used in skiing areas should be reduced and researchshould be continued to find an alternative way which is more safe to the environment.
著者
原田 直哉 中島 容子 中村 徹 橋本 平嗣 林 道治 堀江 清繁 赤崎 正佳 小林 浩 井上 芳樹 高井 一郎 潮田 悦男 大井 豪一 小畑 孝四郎 喜多 恒和 下里 直行
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-10, 2013

妊婦健康診査(以下,健診)をほとんど受診することなく分娩に至る妊婦健診未受診妊婦(以下,未受診妊婦)に関する既報では多くが施設単位であるため,奈良県全体での実態を把握するためのアンケート調査を実施した.未受診妊婦の定義は,(1)全妊娠経過を通じての産婦人科受診回数が3回以下,または(2)最終受診日から3カ月以上の受診がない妊婦,のいずれかに該当する場合とした.県内のすべての分娩施設に対し,平成22年1月からの1年間の分娩数と,未受診妊婦があれば個別に母児の状況を調査した.年間11,168例の総分娩数中の11例(0.10%)の未受診妊婦を認めた.初産婦は4例(36.4%)で,5回あるいは7回と多産の経産婦もいた.未入籍は9例(81.8%),妊娠のパートナーと音信不通になっている者が5例(45.6%)いた.重篤な合併症を認めた母体が3例(27.3%),集中治療室に収容された新生児が3例(27.3%)であった.産褥健診を受診しなかった1例(9.1%)は,新生児の1カ月健診も受診しなかった.未受診を防ぐことは,母児の健康を確保するだけでなく,周産期母子医療センターへの患者集中を防ぎ,周産期の医療資源の有効利用にもつながるため,社会全体でその解消に取り組む必要がある.また未受診であった妊婦に対しては,虐待のハイリスクグループと考え,その後を通常の妊婦と異なる個別の対応を行うことにより,虐待を防止することができるかもしれない.〔産婦の進歩65(1):1-10,2013(平成25年2月)〕
著者
中村 徹
出版者
立花書房
雑誌
警察学論集 (ISSN:02876345)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.78-115, 2013-07
著者
中村 徹
巻号頁・発行日
2011

科学研究費補助金研究成果報告書:基盤研究(B)2007-2010
著者
陶山 佳久 中村 徹
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.510-517, 1988-12-01
被引用文献数
6

アカマツ林の遷移に関する基礎的情報を得ることを目的として, 林内相対照度の違う3林分内(7,15,27%)に発生したアカマツ当年生実生の発生, 発育, 死亡過程を調査した。発生は4月下旬に始まり, 2〜3週間後には発生頻度がピークに達し, 7月下旬には終了した。年間総発生本数は54,100〜99,400本/haに達した。林床の相対照度が低い2調査区では9月下旬までに全個体が死亡し, 相対照度が最も高い調査区では21%が冬期まで生存した。死亡要因はおもに動物害, 苗立枯病害, 乾燥害および被陰によるものであった。林内のアカマツ実生は被陰により発育を妨げられ, 発育初期段階で死亡する割合が大きく, 動物害と苗立枯病害は, 実生が初生葉を展開するまでに発生する重大な死亡要因であった。一方, 乾燥害によって死亡したとみなされた個体数は少なかった。