- 著者
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鈴木 淳子
工藤 綾子
山口 瑞穂子
村上 みち子
服部 恵子
岩永 秀子
- 出版者
- 順天堂大学
- 雑誌
- 順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.1-16, 1994-03-25
- 被引用文献数
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本研究は,基礎看護技術を教授するうえで必要な科学的裏付けを明らかにする研究の一環として行っているものである。今回は,バイタルサインの測定技術の教授に必要な知識がどの程度実証されているか,過去10年間の看護関係の文献から明らかにした。検索した文献を(1)血圧測定,(2)体温測定,(3)脈拍測定,(4)心拍測定に整理し,考察した。呼吸測定については該当する研究がなかった。その結果,血圧測定時には測定器具の特徴を考慮すること,測定者による誤差を少なくする為に最小血圧を読む時の減圧をゆっくりしたほうがよいとの結果を得た。清潔援助や体位が血圧に及ぼす影響については,仰臥位による測定が妥当とされた。血圧測定方法に関しては,測定部位と心臓を同じ高さにする必要性や,上腕の太さが測定値に影響を与えることが検証された。体温測定に関しては,体温計の特徴を理解して使用することが必要とされた。体温測定時の変動因子については,身体の露出,腋窩検温では皮下脂肪の厚さが測定値に影響を与えること,入浴後60分後に入浴前の体温に戻ることがわかった。測定方法については,水銀体温計での腋窩検温の測定時間は10〜15分間必要であること,測定部位を一定にする必要性が明らかになった。また,口腔温よりも腋窩温の方が高いとは一概に言えないとの報告,老人のオムツ内検温の有用性の検証など,対象者の状態を考慮した測定部位の選択の必要性が示唆された。脈拍,心拍測定については,運動,入浴などの影響を考慮し,1分間測定することが必要であることが実証された。