著者
高橋 俊明 井根 省二 竹内 雅治 伏見 悦子 関口 展代 木村 啓二 林 雅人 斉藤 昌宏 高橋 さつき
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.749-754, 2003 (Released:2005-03-29)
参考文献数
15

1995年から2001年の6年間に4例の劇症型心筋炎 (男2例, 女2例, 年齢21~67歳) を経験した。診断は臨床症状, 心電図, 心エコー所見などから総合的に行い, 3例では病理学的に確定診断された。4例全例が発熱などの感冒症状で発症し, 1例は心肺停止で来院し, 蘇生できなかった。残り3例は初発から5~7日後にショック状態で入院し, 一時ペーシング, カテコラミン, ステロイドパルス療法, そのうち1例では経皮的心肺補助 (PCPS) を導入したが, 3例とも入院1~10日後死亡した。心電図では心室調律, 異常Q波, ST上昇, 低電位を呈した。血清酵素の著明な上昇, 代謝性アシドーシス, DICは予後不良の徴候と考えられた。劇症型心筋炎の救命のためには, まず本症を早期に的確に診断すること, そして積極的に補助循環を導入し, 急性期を乗り切ることに尽きる。
著者
上星 浩子 岡 美智代 高橋 さつき 恩幣 宏美 原 元子 村瀬 智恵美 茶円 美保 宮下 美子 柿本 なおみ
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_21-29, 2012-03-20 (Released:2012-03-30)
参考文献数
25
被引用文献数
3 3

目的:慢性腎臓病(CKD)対象者に非盲検ランダム化比較試験におけるEASEプログラムを実施し,血圧,血圧測定実施率およびセルフマネジメント行動や自己効力感が向上するかどうかを検証した.方法:介入群(n=19)はEASEプログラムを12週間実施し,対照群(n=12)は従来の教育を実施した.介入の効果指標は,4週ごとの平均血圧値および血圧測定実施率,セルフマネジメント行動,自己効力感である.結果:2群間における効果指標に有意差は認められなかったが,介入群のセルフマネジメント行動は介入前後で有意に向上した.自己効力感の中央値は介入群で上昇し,対照群は低下した.血圧測定実施率は両群とも1~4週に比べ,9~12週が有意に低下した.とくに対照群における測定実施率の低下は大きかった.結論:ランダム化比較試験の結果,効果指標に有意差は認められなかった.しかし介入群のセルフマネジメント行動は向上した.よってEASEプログラムはセルフマネジメント行動に効果があることが示された.
著者
寺島 秀夫 斎藤 昌宏 高橋 さつき 平山 克
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.1848-1851, 2002
被引用文献数
2

まれな大網原発類上皮血管内皮腫の1例を報告する. 症例は58歳の女性で, 臍周囲の不快感を主訴に来院した. 約5cmの弾性軟な腫瘤が臍周囲で腹壁に近く触知された. 精査により原発性腹膜腫瘍が疑われたが, 呼吸性移動を示すことから特に大網由来の可能性が考えられた. 1999年11月22日に手術が施行された. 腫瘍は明らかに大網内に存在し, 胃壁と固着しており, 胃壁を部分切除し腫瘍の完全摘出を施行した. 光顕像では, 腫瘍は類上皮血管内皮腫に一致する特徴を有し胃筋層へ浸潤していた. 免疫組織化学染色では, 血管内皮系マーカー (CD34, F-VIII) が一部陽性を示した. 以上より, 大網から原発した類上皮血管内皮腫と診断された. 術後経過は順調で, 30か月後も再発を認めていない.<BR>大網原発類上皮血管内皮腫に関して英語文献検索を行ったところ, 過去の報告は1例のみであり, 極めてまれである.
著者
岡 美智代 恩幣 宏美 川村 佐和子 村上 みち子 山名 栄子 上星 浩子 高橋 さつき 越井 英美子
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

患者、看護職、医療費削減という3方向に効果のある患者教育プログラムを学ぶための、看護職向けの学習システムの開発と評価を目的とした研究を行った。その結果、6ステップからなるEASE(イーズ)プログラムの学習システムを開発した。またその学習システムの効果として、患者のセルフマネジメント行動の向上、看護職の適切な発話内容が明らかになった。医療費の試算では、676億6144万円の削減効果が見いだされた。