著者
小池 都 村上 泉子 丹野 修
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.81-89, 2013-06-30 (Released:2014-07-16)
参考文献数
27
被引用文献数
1

We determined skin properties and morphological characteristics in the neck and décolleté in 90 Japanese women aged 22–76 years old, then analyzed age-related changes and differences in those areas as compared to skin of the face. Our results showed that skin in the décolleté had higher water content, as well as lower TEWL and sebum levels as compared to the cheek, with the same tendency seen in the neck, e.g., the sebum-water balance in the skin of the neck and décolleté areas was greatly different from that in the skin of the cheek. Furthermore, in subjects aged 40 years and older, sebum levels and skin color lightness were significantly decreased in the neck and décolleté areas, while wrinkle morphology was also markedly different, suggesting that these areas showed marked alterations in women in their 40s, which may be attributed to the effects of ultraviolet (UV) to change skin elasticity and color. The shape of the neck and lower jaw area was also markedly changed in subjects aged 60 years older, indicating that subcutaneous tissue might exert varying age-dependent effects on lower jaw morphology.
著者
長崎 芙美 村上 泉子
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.17-24, 2016-03-20 (Released:2017-03-21)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6

30代と40代それぞれで年齢幅の近い女性を対象に,見た目年齢と実年齢,肌状態,顔形状,生体指標,肌印象・魅力印象との関連について検討した。その結果,30~33歳,あるいは46~49歳のわずか4歳の年齢幅でも見た目年齢には約20歳の差があることや,目じりのしわ,しみ,たるみが見た目年齢に影響することが示された。年代別では,40代で肌の柔軟性や皮脂量との関連もみられた。また,見た目年齢と顔の形状や生体指標との関連はみられなかったが,肌印象・魅力印象とは強く関連していた。これらの結果から,30代や40代女性の見た目年齢には個人差があり,顔形状よりも肌状態が強く影響していることや,その影響度にも年代差があることが示唆された。
著者
村上 泉 浅野 正一 幸重 浩一 長屋 秀明 佐藤 宏 稲富 信博
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.323-332, 1996-12-01
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

ランソプラゾールの急性胃粘膜病変に対する治療効果を検討する目的で, ラットを用いインドメタシンによる胃出血と胃粘膜損傷に対する作用を静脈内投与で検討し, オメプラゾール, ファモチジンおよびラニチジンの作用と比較した.インドメタシン30mg/kg投与により胃出血が惹起されるが, この条件下にランソプラゾールを投与すると強い胃出血抑制作用を示し, ID<SUB>50</SUB>値は0.29mg/kg, i.v.であった.オメプラゾールおよびファモチジンも有意な胃出血抑制作用を示したが, ラニチジンは軽度な抑制しか示さなかった.ランソプラゾールの胃出血抑制作用は酸分泌抑制作用と相関し, 灌流液中に50mM塩酸を添加することにより消失したことから, ランソプラゾールの胃出血抑制作用は主として酸分泌抑制作用に基づくと考えられた.ランソプラゾールはインドメタシンによる胃粘膜損傷の進展に対して抑制作用を示し, ID50<SUB></SUB>値は0.10mg/kg, i.v.であった.オメプラゾール, ファモチジンおよびラニチジンのID<SUB>50</SUB>値は各々0.69, 2.58および24.6mg/kg, i.v.であり, ヒスタミンH2受容体遮断薬の作用は比較的弱かった.以上の成績からランソプラゾ-ルは胃出血および胃粘膜損傷の進展に対して強い抑制作用を有し, 急性胃粘膜病変の治療に有用と考えられた.