著者
村杉 恵子
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

幼児はどのように動詞と時制等の一致の表現を獲得するのか。ドイツ語、オランダ語、フランス語などを母語とする幼児が主節不定詞現象を示すことはよく知られている。本プロジェクトでは、縦断的研究とコーパス分析に基づき、日本語を獲得する幼児においても、2歳前に、主節不定詞現象に見られる時制・補文標識に関する特徴を欠いた段階が存在することを提案する。さらに本研究では、主節不定詞現象は言語を超えて共通するが、主節内の動詞の形態は、世界を三分化することを提案する。不定詞、語幹の裸動詞、そして、代理の活用形がデフォルトとしてつけられる場合の三種類の幼児の動詞が、大人の形態的特徴を反映してあれわれることを示す。
著者
田代 和子 小板橋 恵美子 平澤 マキ 村杉 恵子 岡本 あゆみ 鵜野 澄世 本吉 杏奈 Kazuko Tashiro Emiko Koitabashi Maki Hirasawa Keiko Murasugi Ayumi Okamoto Sumiyo Uno Anna Motoyoshi
雑誌
淑徳大学看護栄養学部紀要 = Journal of the School of Nursing and Nutrition Shukutoku University (ISSN:21876789)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.19-29, 2019-03-31

本研究の目的は、大学と地域住民が連携協働する「認知症カフェ」の開催が利用者にもたらす成果および継続的な運営に向けた課題を明らかにすることである。認知症カフェ継続利用者6名に対しグループインタビューを行った結果、35のコードから11サブカテゴリー、さらに5つのカテゴリーである【認知症の情報や予防の共有ができる場】【学生ボランティアとの異世代間交流を通した自尊感情の高まり】【安心・安全な地域の居場所】【連携がもたらす多彩なプログラム効果】【継続利用を可能にする両者の連携と課題】を生成した。連携協働による成果では、“学ぶ・相談する”については大学がもつ認知症に関する知識の提供ができ、一方で地域の特性を生かした“楽しむ”を主としたアクティビティの提供により、両者のもつ利点を結集できたことが利用者のニーズと合致し、成果へと繋がった。また、学生ボランティアの接待や傾聴を通した異世代間交流は利用者の自尊感情の高まりに繋がり高評価を得た。利用の継続要因として、開催地との関連が示された。高齢者にとって徒歩圏内にある場は重要であり、利便性がある安心・安全な地域の居場所であったことが利用者の継続利用に繋がった。