著者
平澤 マキ 志村 晃一 清水 章子 村 清司 徳江 千代子 荒井 綜一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.95-101, 2008-03-15 (Released:2008-04-30)
参考文献数
21
被引用文献数
4 8

アボカドの食物繊維やポリフェノールの機能性を明らかにするために,その構成成分と特性を解析した.使用したアボカドは水溶性食物繊維5.23±0.53g,不溶性食物繊維11.3±0.71g(可食部100g当たり/無水物)を含んでいた.不溶性食物繊維はペクチン画分 : ヘミセルロース画分 : セルロース画分はそれぞれ20.6% : 43% : 36.4%であり,不溶性食物繊維は膨潤性が大きく,色素吸着能はローズベンガルにおいて高い値を示した.水溶性食物繊維は鉄吸着能も高く,WSPは優れた鉄保持能力をもつことが示唆された.また,アボカドの抗酸化性は果皮が最も強く,次いで種子,果肉の順であった.果皮にはポリフェノールが多く存在し,種子,果肉は少ないことが認められた.ポリフェノールの組成をGC-MSで測定したところ,カテキン,エピカテキン,クロロゲン酸類が同定され,これらが抗酸化性に寄与していると考えられる.果皮は未利用資源として新たな食品機能性素材に利用されることが期待される.
著者
池田 昌代 小根澤 遥 上坂 奈未 高橋 来実 望月 菜穂 平澤 マキ 関 千代子 澤山 茂
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.9-17, 2014-01-25 (Released:2015-05-09)
参考文献数
25
被引用文献数
3

The purpose of this study is to obtain basic data to develop a food education program for university students. We investigated the use of student cafeterias and analyzed the energy and nutrient intake of various dish combinations.The criteria for lunch items that university students gave priority to were preference, price, and nutrition balance. Gender differences were observed regarding the frequency of use of school cafeterias, criteria for lunch item selection, and purchase price. Energy and nutrient intake was different across dish combinations. Male students tended to select only “noodle bowl/dish”combinations, which led to greater salt intake; additionally, in such dishes, vitamins, dietary fiber, and iron were present in much fewer quantities than in other dish combinations. Female students tended to select “rice, main dish, and side dish” combinations, which had more calcium, dietary fiber, and iron than other combinations.For university students to put food education into practice in cafeterias, it is necessary to understand about appropriate energy and nutrient intake. Students should be educated about what dish combinations provide the right amount of energy and nutrient intake so that they can independently make decisions regarding this in the future. To facilitate this, the maintenance of a suitable (or “healthy”) meal environment is important.”
著者
平澤 マキ 志村 晃一 清水 章子 村 清司 徳江 千代子 荒井 綜一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.95-101, 2008-03-15
被引用文献数
8

アボカドの食物繊維やポリフェノールの機能性を明らかにするために,その構成成分と特性を解析した.使用したアボカドは水溶性食物繊維5.23±0.53g,不溶性食物繊維11.3±0.71g(可食部100g当たり/無水物)を含んでいた.不溶性食物繊維はペクチン画分 : ヘミセルロース画分 : セルロース画分はそれぞれ20.6% : 43% : 36.4%であり,不溶性食物繊維は膨潤性が大きく,色素吸着能はローズベンガルにおいて高い値を示した.水溶性食物繊維は鉄吸着能も高く,WSPは優れた鉄保持能力をもつことが示唆された.<BR>また,アボカドの抗酸化性は果皮が最も強く,次いで種子,果肉の順であった.果皮にはポリフェノールが多く存在し,種子,果肉は少ないことが認められた.ポリフェノールの組成をGC-MSで測定したところ,カテキン,エピカテキン,クロロゲン酸類が同定され,これらが抗酸化性に寄与していると考えられる.果皮は未利用資源として新たな食品機能性素材に利用されることが期待される.
著者
内堀 佳子 正木 緑 本吉 杏奈 山田 晶世 平澤 マキ 石井 克枝 雀部 沙絵 桑原 節子 Yoshiko Uchibori Midori Masaki Anna Motoyoshi Akiyo Yamada Maki Hirasawa Katsue Ishii Sae Sasabe Setsuko Kuwahara
雑誌
淑徳大学看護栄養学部紀要 = Journal of the School of Nursing and Nutrition Shukutoku University (ISSN:21876789)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.19-27, 2020-03-16

【目的】管理栄養士養成課程において、学生の臨地実習の事前事後の学修成果について到達度評価に適しているとされるルーブリックを用いて評価し、総合演習を含む事前事後指導の在り方を振り返る。【方法】本校において設定された管理栄養士養成課程におけるルーブリックによる自己評価を臨地実習の事前と事後に実施し学修成果を分析した。【結果及び考察】臨地実習前の評価では、3年生女性では、主体性及びコミュニケーション力を除いた4項目(課題設定・解決力、情報活用力、知識と情報の統合力、職業観)で評価規準3または4と評価した学生が少なく、知識と情報の統合力の評価規準を1と評価した学生が2割いた。3年生男性は、コミュニケーション力の評価は高いが、その他の5項目(主体性、課題設定・解決力、情報活用力、知識と情報の統合力、職業観)の評価が低かった。またコミュニケーション力以外の項目で3年生の女性と同様に評価規準4と評価した割合が低かった。4年生の女性は、知識と情報の統合力の項目を除いた5項目(主体性、コミュニケーション力、課題設定・解決力、情報活用力、職業観)について半数以上の学生が評価規準3または4と評価し3年生女性より評価規準が高かった。男性については、該当人数が4名と少ないが、すべての項目で評価規準2または3と評価し評価規準4と評価した学生はいなかった。臨地実習後の評価については、3年生女性は課題設定・解決力が若干低かったが、それ以外の5項目について評価規準3または4と評価した学生が多くなり、3年生の男性は、主体性及び情報活用力以外の4項目について評価規準3または4と評価した学生が多かった。4年生女性の事後評価では、評価基準の各項目において評価規準3と評価した割合が高くなり評価規準4と評価した割合が減少した。4年生の男性は主体性及び情報活用力を除いて全員が評価規準3または4と評価した。どの項目も実習後の評価は評価規準3または4に評価した学生が増加し、その割合は6割強以上となり、管理栄養士として備えたい必要な力についておおむね獲得できたこと、本大学の学生は社会における管理栄養士としての資質(知識、技術、態度)についての理解が臨地実習後におおむね獲得できたという評価となり、今回用いた「管理栄養士課程における臨地実習ルーブリック」により臨地実習の教育効果を可視化できたととらえることができた。
著者
田代 和子 小板橋 恵美子 平澤 マキ 村杉 恵子 岡本 あゆみ 鵜野 澄世 本吉 杏奈 Kazuko Tashiro Emiko Koitabashi Maki Hirasawa Keiko Murasugi Ayumi Okamoto Sumiyo Uno Anna Motoyoshi
雑誌
淑徳大学看護栄養学部紀要 = Journal of the School of Nursing and Nutrition Shukutoku University (ISSN:21876789)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.19-29, 2019-03-31

本研究の目的は、大学と地域住民が連携協働する「認知症カフェ」の開催が利用者にもたらす成果および継続的な運営に向けた課題を明らかにすることである。認知症カフェ継続利用者6名に対しグループインタビューを行った結果、35のコードから11サブカテゴリー、さらに5つのカテゴリーである【認知症の情報や予防の共有ができる場】【学生ボランティアとの異世代間交流を通した自尊感情の高まり】【安心・安全な地域の居場所】【連携がもたらす多彩なプログラム効果】【継続利用を可能にする両者の連携と課題】を生成した。連携協働による成果では、“学ぶ・相談する”については大学がもつ認知症に関する知識の提供ができ、一方で地域の特性を生かした“楽しむ”を主としたアクティビティの提供により、両者のもつ利点を結集できたことが利用者のニーズと合致し、成果へと繋がった。また、学生ボランティアの接待や傾聴を通した異世代間交流は利用者の自尊感情の高まりに繋がり高評価を得た。利用の継続要因として、開催地との関連が示された。高齢者にとって徒歩圏内にある場は重要であり、利便性がある安心・安全な地域の居場所であったことが利用者の継続利用に繋がった。