著者
東畑 開人 渡久山 朝裕 前川 友未子
出版者
十文字学園女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

「こころの専門家」とは何者か。彼らはいかなる来歴を持ち、社会の中でいかなる機能を担い、そして社会にいかなる変化をもたらしてきたのか。1980 年から現在までの沖縄県での「こころの専門家」の誕生とその発展の歴史を記述することを通して、「こころの専門家」が文化の網の目の中でいかにして専門職として成立するのかの人類学的な理論モデルを生成した。それはベックのいう「第2の近代化」に即して、国家と学術団体が制度面と人材養成面で主導的な役割をはたすことで成し遂げられたものである。今後は諸外国との比較を行うことで、制度面での不備をいかに市場というアクターが補いうるのかを検討していく。
著者
東畑 開人
出版者
The Japan Association of Sandplay Therapy
雑誌
箱庭療法学研究 (ISSN:09163662)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.39-49, 2014

本研究では,発達障害のクライエントが産出するイメージとはいかなるものか,イメージの構造分析を行った。まず,これまでの研究を振り返る中で,発達障害のイメージが「意味」を中身として持たない「表面だけのイメージ」であることを明らかにした。その上で,軽度発達障害の事例の検討を行い,「表面だけのイメージ」が一者性の感覚を保持するために使用される二次元的なものであり,三次元的な空間的分離性,四次元的な時間的分離性が成し遂げられることで,「表面だけのイメージ」に奥行きが生まれてくることを示した。このようにして,面接から排除されていた意味や情緒を人間的に体験することが可能になることを検討し,イメージに見えないイメージに奥行きを見出そうとするイメージの構造分析が,それ自体としてこころをもたないように見える発達障害にこころを見出そうとする営みであることを論じた。
著者
東畑 開人
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2010

教博第87号
著者
東畑 開人
出版者
日本心理臨床学会
雑誌
心理臨床学研究 (ISSN:02891921)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.4-15, 2011-04
被引用文献数
1