著者
松下 博宣 東京情報大学看護学部
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-11, 2022-09-30

本研究は,下総台地に鎮座する下総七年祭神社,藤原時平神社,天満宮等の配置形象に含意される意味を探索的に特定することである.下総三山の七年祭りに参加する9社,八千代市の時平神社4社,ならびに下総地域に点在する天満宮,天神社を実際に訪れ,神社の位置をGoogleマップ上にプロットして,神社群の位置(緯度,経度,標高)を特定し,各神社の由緒書を収集し,関連する史料を分析した.その結果,①三山七年祭神社パラレログラム,②八千代時平系神社群トライアングル,③天満宮ラインA,B,④下総道真信仰系レクタングルという神社の呪術的配置形象が空間的に構成されていることが明らかになった.本研究の発見にもとづき,これらの神社の配置形象が,同地域に特有の水害リスクを暗黙的に示唆する可能性について論考した。
著者
松下 博通 佐川 康貴 佐藤 俊幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.507-519, 2010 (Released:2010-12-20)
参考文献数
50
被引用文献数
1 1

本研究では,地盤に含まれる硫酸イオンおよび硫酸塩によるコンクリートの硫酸塩劣化について取り上げた.はじめに,旧産炭地域のぼたを用いた盛土地盤と新第三紀泥岩層の造成地盤における住宅基礎コンクリートの劣化既往事例を概説し,その原因が地盤に含まれる硫酸イオンおよび硫酸塩によるものであることを示した.次に,黄鉄鉱を含む海成層による堆積地盤において,細菌の作用により黄鉄鉱が酸化され,硫酸イオンが生じる過程を示した上で,日本各地の地盤中に含まれる硫酸イオン濃度について考察した.最後に,地質と気象要因に基づき,日本全土におけるコンクリートの硫酸塩劣化の可能性を有する地盤を「コンクリートの腐食程度の厳しさ」として提案した.
著者
松下 博 横田 源弘 田中 辰彦 小松 和也 渡辺 敏晃 平野 尊之
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.29-35, 1998-07 (Released:2011-07-07)

船舶の効率的運航、いわゆる省エネルギー対策の観点から、船底およびプロペラ汚損を防止する手法の確立が切望されている。特にプロペラ汚損が船底の汚損と同程度に燃料消費量に影響することが判明してから、プロペラ汚損防止対策は緊急の課題である。プロペラ汚損の主たる要因である海洋生物の付着は、主に船舶の停泊中に起こると考えられる。そのため比較的停泊期間の長い漁船、内航タンカーおよび公官庁船等は特にその被害が著しく、なかでもプロペラは、船底の様に防汚法が確立されていないため、海洋生物が付着しやすい。海洋生物の付着は、物体表面が海水中に浸った初期に付着するスライムが誘因となる。そこでスライムの着生防止と除去対策として水噴流用ノズル内の低圧部に対し自然または強制的に通気した水中混気水噴流の利用を考えた。この構想は通気により水中噴流の掘削特性が向上し得るとの知見によって効果が期待できる。