著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 村岡 尚 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.497-504, 2019-08-15 (Released:2019-08-15)
参考文献数
19

学習性不使用による慢性期脳卒中後の上肢運動障害に対し,Constraint-induced movement therapy(以下,CI療法)の主要コンセプトであるTransfer packageを,外来作業療法にて実施した.低頻度(週1回20分)であったが,4ヵ月後には臨床上重要な最小変化を大きく超える,麻痺手の使用行動と上肢機能の改善を認めた.さらに,事例が目標とした活動の多くを獲得することができた.CI療法は,訓練時間や医療保険適応の問題が指摘されているが,事例の状態によっては,必要なコンセプトを中心に,低頻度の介入でも効果が得られる可能性が示唆された.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 花田 恵介 松井 克明 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.694-702, 2022-12-15 (Released:2022-12-15)
参考文献数
24

本邦では,急性期でのCI療法後の長期経過を観察した研究は見当たらない.今回,急性期にて1日2時間以内の修正CI療法を実施した複数の対象者について,介入から1年後までの長期間の追跡調査を行い,麻痺側上肢の回復経過を観察した.結果,FMA,MALともに,介入後・介入1年後と時点の固定効果で有意な差を認めた.またMALは,短期・長期ともにMCIDを超える変化を認めた.さらに,長期的なFMAの改善は,MALと強い関連があることが示された.本研究から,急性期においても適応患者によっては,修正CI療法が長期的にも上肢機能と麻痺手の使用行動に良好な変化を与える可能性が示唆された.
著者
松井 克明
出版者
八戸学院大学
雑誌
八戸学院大学紀要 (ISSN:21878102)
巻号頁・発行日
no.61, pp.21-35, 2020-12-18

本稿は、青森県三戸郡田子町にゆかりのある映画監督相米慎二の映画作品を分析し、相米監督は地方(とくに北海道、東北地方)についてどう考え、どう描いていたのかを考察する。大間町を舞台とした『魚影の群れ』(1983年)では南部藩の「抑圧された側への目線」、『光る女』(1987年)、『風花』(2001年)では北海道に希望を描き、「ユートピア的開墾地」に地方の原風景を見た。
著者
松井 克明
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.104-125, 2022 (Released:2023-10-17)
参考文献数
58

アメリカ・カンザス州は2012年と2013年に成長促進のための大規模な税制改革を行い,パススルー事業体などによる非賃金事業所得への課税を除外した。しかし,州経済は改善しなかったため,2017年,改革は見直された。カンザス州の「大いなる実験」とも称される改革の背景には,州共和党内の2つの勢力の動きや,レーガン連邦政権におけるアドバイザー的な役割を果たし,「サプライサイド経済学の父」ともされるラッファーやアメリカ立法交流評議会の影響がある。一連の改革の結果,州財政においては売上税の比重が,郡財政においては地方財産税の比重が増したことを明らかにした。
著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 堀内 博志 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.222-229, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
18

中等度の上肢麻痺を呈した脳卒中患者に対し,急性期よりCI療法(量的練習,課題指向型練習,介入で獲得した機能を生活に転移するための戦略)と,電気刺激療法を併用した複合的な上肢集中練習を実施した.さらに,退院後,長期的効果を調査するため1年後の経過を追った.その結果,介入直後および介入から1年後に,麻痺側上肢機能と,実生活における麻痺手の使用の頻度および質の改善を認めた.したがって,我々はCI療法を急性期より実践することで,長期的にも好影響を及ぼす可能性を示唆した.ただし,今回の結果は一症例の経過に過ぎない.今後,多数の症例で同様の疑問を明らかにする必要がある.