著者
江頭 和彦 松元 順 中山 正登
出版者
九州大学
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.75-83, 2002-10

ハノイ(Ha Noi (河内);ヴィエトナムの古い地名ではThang Long(昇龍))は紅河(Hong Ha;ヴィエトナム語ではSong Hong)に沿い、人口250万人、ヴィエトナム国の首都である。ドイモイ後の農業分野の改革は、1988年に出された「農業経済管理の刷新に関する政治局決議」第10号に始まる。土地政策の転換により、農業生産システムが集団請負制から家族請負制に変わり、土地生産力に応じて5~6段階に分けられた農地ごとに、農民への農地の均等配分が実施された。ドイモイ後、紅河デルタでは土地利用の多様化、集約化が進んだ。
著者
鳥山 光昭 松元 順 藤嶋 哲男
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.58, pp.20-27, 1983-12-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

有機物施用茶園における,土壌中の可給態窒素含量と収量,品質との関係を明らかにするために,堆肥を6年間毎年0,1,2,4t/10a施用した茶園を供試し,各堆肥施用区のうね間土壌中の無機態窒素濃度を12,24mg/乾土100g(堆肥2t区は24mgのみ)の2段階とし,処理期間における可給態窒素および無機態窒素の含量と収量,品質との相関を求めて比較検討した。その結果は次のように要約される。1) 土壌中の可給態窒素含量は,堆肥施用量を増すほど増加し,4t区では20~22mg/乾土100gで,無施用区の3.6倍に増加した。なお,可給態窒素含量の時期別変動をよ割合に小さかった。2) 一,二番茶期における新芽中の総窒素量は,可給態窒素+春・夏季の無機態窒素の含量との相関が最も高く,可給態窒素と無機態窒素は茶樹の窒素吸収に対する窒素供給源としては,互いに補完的な役割を果しているものと推察された。3) 一番茶の収量は春季の無機態窒素濃度と,二番茶の収量は可給態窒素含量との相関が高かった。一番茶の煎茶品質では各窒素形態の含量との相関関係に有意性は認められなかったが,二番茶の煎茶品質は春・夏季の無機態窒素濃度との相関が高かった。可給態窒素の生産能率は品質よりも収量に対して,また一番茶期よりも二,三番茶期において高いものと推察された。
著者
松元 順 金 桂花 堀口 泰久 内村 浩二 江頭 和彦
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.719-724, 2002-12-05
被引用文献数
7

鹿児島県大隅半島に位置する火山灰由来の茶園土壌を試料として,土壌の酸性化と養分保持力の関係を検討した.その結果:1)土壌の全炭素含量は茶園の樹齢及び窒素肥沃度及びCEC(pH7.0)とは正の相関を示す;2)一方,CEC(圃場pH)は9〜17mol_c kg^-1の範囲にあり,CEC(pH7.0)の19〜61%に相当する;3)CEC(pH7.0)の増加分は有機物由来と推察されるが,土壌pHの低下によりCEC(圃場pH)は相殺的に減少する;4)酸性化した土壌ほど水溶性塩基含量が高く,降水等により下層へ溶脱しやすい状態にある;5)強酸性化したクロボクでは,アンモニウム保持能が著しく消失するため,pH4.5までの酸度矯正によりアンモニウム保持能を回復する必要があることが明らかとなった.本研究で得られた成果は,今後の火山灰由来茶園土壌の長期にわたる肥培管理,土壌管理を考える上で重要な示唆を与える.