著者
伊藤 仁久 大西 雄己 三澤 紅 藤阪 芽以 友廣 教道 松川 哲也 遠藤 雄一 梶山 慎一郎 重岡 成
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.14-20, 2023-07-15 (Released:2023-07-18)
参考文献数
35

精油の皮膚の健康と美に関する機能性を探索することを目的に,アロマテラピーの分野で汎用される精油30種の終末糖化産物(Advanced Glycation End Products : AGEs)産生抑制およびチロシナーゼ阻害効果を評価した。その結果,ローズマリー(Rosmarinus officinalis)精油にAGEs産生抑制効果を見いだした(IC50:124 µg/mL)。また,メリッサ(Melissa officinalis)精油にチロシナーゼ阻害効果が認められた(IC50:276 µg/mL)。ローズマリー精油はAGEs産生抑制に基づくアンチエイジング効果,メリッサ精油はチロシナーゼ阻害に基づくメラニン産生抑制効果をもつ可能性があり,今後の香粧品あるいは機能性食品の分野での活用が期待される。
著者
堀端 章 松川 哲也
出版者
近畿作物・育種研究会
雑誌
作物研究 (ISSN:1882885X)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.11-17, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
13

和歌山県の紀の川流域で古くから栽培されてきた薬用のアカジソ遺伝資源を地域の特産品として活用しようとしているが,そのためには類似の特徴をもつ他のシソ品種との間の優位性を明らかにしておく必要がある.そこで本研究では,強いシソ特有の香りを特徴とする和歌山県の在来シソ2系統と,「芳香性」をうたう市販の3品種,および,一般的なチリメンジソ1品種を供試して,形態的特徴および機能性成分含有量の調査を行って,和歌山県の在来シソ系統の遺伝的および商業的優位性の評価を行った.その結果,和歌山県の在来シソ系統はアカジソであったが,「芳香性」シソ3品種はいずれもチリメンジソであった.和歌山県の在来シソ系統は,供試した「芳香性」シソ品種よりも多くの機能性香気成分を含んでおり,この点で商業的有意性が認められた.もう一方の機能性物質である水溶性ポリフェノールの含有量については,生葉では供試した品種・系統間で差がみられなかったが,乾燥葉では品種間差が拡大した.乾燥期間中にも水溶性ポリフェノールの生合成が行われていることが示唆された.
著者
堀端 章 松川 哲也
出版者
近畿大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

紀の川流域の地域遺伝資源である薬用紫蘇の1系統について、外観特性および機能性成分含有量に関する遺伝を調査した結果、本系統は形態的特徴および機能性成分含有量に関して固定していると考えられた。一方、この高機能性シソの機能性向上と周年生産技術の確立を目指して、単色光補光による生育調節を試みたところ、青色光補光が花成を顕著に抑制し、ペリルアルデヒド含有量が高く維持する効果をもつことが明らかとなった。