著者
松本 浩毅 田栗 利紹 手嶋 隆洋 小山 秀一
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.7-11, 2018 (Released:2019-03-29)
参考文献数
11

Malassezia pachydermatisとStaphylococcus intermediusに対する植物ポリフェノールの抗菌活性を調査した。ポリフェノールはエピガロカテキン,エピカテキンガレート,没食子酸エピガロカテキン,カスタラギン,カテキン,テアフラビン,テアルビジン,プロシアニジン,プロデルフィニジン,ミリシトリン,ルチンそしてレスベラトロールを用いた。これらポリフェノールの最小発育阻止濃度(MIC)は寒天平板培地法により求めた。M. pachydermatisとS. intermediusに対するMICが最も低値であったのはカスタラギン(それぞれ100 μg/mlと50 μg/ml)であった。以上の結果から,カスタラギンはM. pachydermatisとS. intermediusグループが原因となるイヌの皮膚疾患の治療薬として効果的である可能性が示された。
著者
松本 浩毅 山田 剛久 竹村 直行 左向 敏紀 小山 秀一 本好 茂一 稲田 頼太郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.727-730, 1996-08-25
被引用文献数
1

臨床的に健常でDirofilaria immitis (D.immitis)感染の認められない102頭のビーグルと16頭のD.immitis感染犬の血中免疫複合体(CIC)を免疫粘着赤血球凝集反応(IAHA)法によって測定した. 102頭の健常犬のCIC値は, 28.2±29.1μg/mlであった. CIC値に関しては, 年齢や性による有意差はみられなかった. D.immitis感染犬のCIC値(210±111.4μg/ml)は, 健常犬に比べ有意に高かった(P<0.01). 今回の実験結果より, IAHA法がイヌのCIC測定に適した方法であり免疫複合体介在性疾患の検出あるいは診断に応用可能であると考えられた.