著者
木下 現 鷲巣 誠 本好 茂一 Breznock Eugene M.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.703-708, 1995-08-15
参考文献数
31
被引用文献数
2

循環血液量減少性ショック時の肝血流量の変化を門脈血流量を正確に測定することが出来るよう改良した右心バイパス法を用いて検討した. 安静時の肝臓の血行動態は今までの報告に類似していた. すなわち, 総肝血流量は心拍出量の34%であり, 門脈血流量および肝動脈血流量は総肝血流量のそれぞれ76および24%であった. 血液量減少性ショック時には門脈血流量の減少によって総肝血流量が著しく減少した. この門脈血流量の減少から腸間膜循環はショック中に心拍出量の分配率が低下する末梢循環に分類されることが確認された. ショック中に心拍出量中の肝動脈血流量への分配率が増加した.このことからショック中の肝動脈緩衝反応の発現が確認された. ショック中低下していた総肝血流量はショック状態離脱後の肝動脈血流量の増加によってショック前値にまで回復した. 本試験結果からショック中及びショック状態離脱後の肝血流量減少に対する代償反応として肝動脈緩衝反応の発現が証明された.
著者
松本 浩毅 山田 剛久 竹村 直行 左向 敏紀 小山 秀一 本好 茂一 稲田 頼太郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.727-730, 1996-08-25
被引用文献数
1

臨床的に健常でDirofilaria immitis (D.immitis)感染の認められない102頭のビーグルと16頭のD.immitis感染犬の血中免疫複合体(CIC)を免疫粘着赤血球凝集反応(IAHA)法によって測定した. 102頭の健常犬のCIC値は, 28.2±29.1μg/mlであった. CIC値に関しては, 年齢や性による有意差はみられなかった. D.immitis感染犬のCIC値(210±111.4μg/ml)は, 健常犬に比べ有意に高かった(P<0.01). 今回の実験結果より, IAHA法がイヌのCIC測定に適した方法であり免疫複合体介在性疾患の検出あるいは診断に応用可能であると考えられた.
著者
長谷川 承 左向 敏紀 竹村 直行 小山 秀一 本好 茂一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.789-790, 1992-08-15

陽イオン交換カラムを使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりネコ糖化ヘモグロビンを測定した. 臨床上正常な猫37頭及び糖尿病猫12頭の糖化ヘモグロビンの百分比はHbAlcではそれぞれ1.70%および3.54%, HbAlでは1.88%および3.85%と, 糖尿病猫で有意な高値を示していた(Plt;0.05). このことからネコ糖化ヘモグロビンは糖尿病診断の指標になると思われた.
著者
藤田 道郎 織間 博光 清水 幹子 本好 茂一 片山 正夫 宮坂 勝之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.749-751, 1991-08-15
被引用文献数
1

麻酔下の猫に対し, 10cmH_20時の容量から肺胸郭コンプライアンス(Crs)を求めた. その結果, Crsと体重および体長との間には正の相関を認め, また雌雄差も危険率1%未満で認められた.