著者
松本 直人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1021-1027, 2013-03-15

災害時において情報システム障害の社会にあたえる影響は,年々増大している.本稿では,東日本大震災における情報発信の事例を分析し,システム障害の影響を最小限に保つ手法について提言する.
著者
関 裕也 松本 直人 隆島 研吾 関 貴子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.334-337, 2006-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
4

本研究の目的は「学生が満足する実習指導因子」を明らかにすることである。理学療法学科夜間部の学生を対象に,実習指導に関するアンケート調査を実施した。調査内容は「実習指導への満足度」と,満足度との関連が予測される実習指導要素13項目である。分析手法は,まず13項目の実習指導要素について因子分析を実施し,それにより抽出された因子と「実習指導への満足度」との相関係数を構造方程式モデリングにより求めた。分析の結果,「肯定的・支持的指導」と「積極的・成長促進的指導」の2因子が抽出された。「実習指導への満足度」と各因子はいずれも高い正の相関関係にあった。また両因子間にも正の相関が認められた。これより「学生が満足する実習指導因子」には上記2因子があり,かつ両因子を兼ね備えることで,より満足度の高い実習指導につながることが明らかとなった。
著者
吉田 有輝 三岡 相至 松本 直人 大野 英樹 吉田 生馬
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】1998年の厚生労働省の調査によると,ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:以下,GBS)は人口10万人あたりに対し1.15人の年間発生率であり,平均発症年齢は39歳で男女比は3:2である。また,GBSは一般的に予後良好であるとされており,1998年の英国の調査において,走行可能な状態まで回復した症例は約62%と報告されている。このように,GBSは若年性の神経難病であり,やや男性に多いことから,働き盛りの労働者に発生しやすいという特徴を持っている。それにも関わらず,GBSを発症した症例がその後どのような過程を経て社会復帰を実現したのかを示す報告は少ない。そこで,今回,当院において急性発症から自宅退院,その後の訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)により社会復帰を達成した症例を経験したので報告する。【方法】平成25年3月5日~4月16日までに神経内科に入院したGBSの1例を対象とした。年齢は40代後半,性別は男性,職業は建設施工会社の現場監督であり,妻と3人の息子と同居していた。退院時のBarthel Indexは85点,100mの連続歩行や1時間の座位保持は疲労感が強く継続は困難な状況で,外出には車椅子が必要であった。筋力は,徒手筋力検査にて,上肢では前腕筋が概ね3+,股関節伸展筋および外転筋が3+,足関節底屈筋が2+,握力は右14.5kg,左14.0kgであった。退院時の主訴は「新たな身体を作りたい」であり,HOPEは「最終的に復職したい」であった。入院中は1日3回のリハビリテーションを毎日実施し,自宅復帰後は週に3日,1回40分の訪問リハを医療保険下で平成25年4月18日~9月27日まで実施した。訪問リハでは,屋内生活の安定を目標とするとともに,過用性筋力低下(overwork weakness)のリスクを考慮したADL指導や自主練習の提示を行っていった。その後,徐々に活動範囲を拡大させながら,日常的な活動性とADLおよびIADLの状況を毎回確認し,最終的には,復職した際の具体的な通勤方法や仕事内容を評価し,指導を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に則り,利用者に十分な説明と同意を得た後に実施した。【結果】自宅復帰後,社会参加に対するHOPEに早期復職や完全復帰と変化が認められるようになった。しかし,介入時の主訴からも推測される通り,疾患や身体機能,それに伴うADLへの理解が不十分であり,復職に関して焦燥感があることが考えられた。本人が同年6月末を復職時期として希望していたため,まず,通勤手段である自転車走行や電車移動を家族とともに行ってもらったが,電車移動中や外出先では疲労が強く頻回な休息が必要という結果であった。そこで,本人と相談しながら復職時の課題を明確化し,問題解決方法をその都度確認していった。その結果,8月初旬には1日の外出を実施することが可能となった。その際,移動時の疲労やそれらの翌日への持ち越しが確認されたが,デスクワークは可能であることも確認できた。そして,9月には訪問リハを週2回に変更し,復職後の業務内容は会社と相談した結果,内勤へと変更することが決まり9月27日に訪問リハは終了,10月初旬に復職を達成した。【考察】若年の男性にとって,労働者や夫,父親としての社会的地位や尊厳,名誉が失われることは大きな問題である。また,あらゆる神経難病の中で,GBSが予後良好と言われていても,罹患した方々は常に不安と隣り合わせの状態で自宅退院を迎えていることが容易に予測できる。今回の症例では,入院中から復職という社会復帰の目標が明確に設定されていた。しかしながら,退院直後は自宅内生活を送ることが精一杯であり,外出時には車椅子を使用しなければならない状況であった。そのため,まずは居宅生活の安定を目標としリハビリテーションを実施していった。その中で,徐々に生活が安定すると,可及的早期に復職をしたいというHOPEの変化が認められた。本人は復帰時には仕事への完全参加を希望していたが,病態やより具体的な復職のプロセスを考慮すると,本人との間で課題の明確化と問題解決方法をその都度確認していく必要があった。そのような介入をした結果,利用者の焦燥感は徐々に緩和していったと考えられる。そして,社会的側面や経済的側面も考慮し,可能な限り利用者の地位や名誉,尊厳に配慮した形で目標を共有していけたため,安全な方法や形式での社会復帰が可能であったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法の目的および理学療法士の役割が,身体の機能回復ではなく,個々人の権利・名誉・尊厳の回復であるならば,本症例のような神経難病を有する患者に対し,退院後も居宅サービスとしての支援を行い,社会復帰を実現していくことは大変重要なことであると考えられた。
著者
吉田 有輝 三岡 相至 松本 直人 大野 英樹 吉田 生馬
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1261, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】1998年の厚生労働省の調査によると,ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:以下,GBS)は人口10万人あたりに対し1.15人の年間発生率であり,平均発症年齢は39歳で男女比は3:2である。また,GBSは一般的に予後良好であるとされており,1998年の英国の調査において,走行可能な状態まで回復した症例は約62%と報告されている。このように,GBSは若年性の神経難病であり,やや男性に多いことから,働き盛りの労働者に発生しやすいという特徴を持っている。それにも関わらず,GBSを発症した症例がその後どのような過程を経て社会復帰を実現したのかを示す報告は少ない。そこで,今回,当院において急性発症から自宅退院,その後の訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)により社会復帰を達成した症例を経験したので報告する。【方法】平成25年3月5日~4月16日までに神経内科に入院したGBSの1例を対象とした。年齢は40代後半,性別は男性,職業は建設施工会社の現場監督であり,妻と3人の息子と同居していた。退院時のBarthel Indexは85点,100mの連続歩行や1時間の座位保持は疲労感が強く継続は困難な状況で,外出には車椅子が必要であった。筋力は,徒手筋力検査にて,上肢では前腕筋が概ね3+,股関節伸展筋および外転筋が3+,足関節底屈筋が2+,握力は右14.5kg,左14.0kgであった。退院時の主訴は「新たな身体を作りたい」であり,HOPEは「最終的に復職したい」であった。入院中は1日3回のリハビリテーションを毎日実施し,自宅復帰後は週に3日,1回40分の訪問リハを医療保険下で平成25年4月18日~9月27日まで実施した。訪問リハでは,屋内生活の安定を目標とするとともに,過用性筋力低下(overwork weakness)のリスクを考慮したADL指導や自主練習の提示を行っていった。その後,徐々に活動範囲を拡大させながら,日常的な活動性とADLおよびIADLの状況を毎回確認し,最終的には,復職した際の具体的な通勤方法や仕事内容を評価し,指導を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に則り,利用者に十分な説明と同意を得た後に実施した。【結果】自宅復帰後,社会参加に対するHOPEに早期復職や完全復帰と変化が認められるようになった。しかし,介入時の主訴からも推測される通り,疾患や身体機能,それに伴うADLへの理解が不十分であり,復職に関して焦燥感があることが考えられた。本人が同年6月末を復職時期として希望していたため,まず,通勤手段である自転車走行や電車移動を家族とともに行ってもらったが,電車移動中や外出先では疲労が強く頻回な休息が必要という結果であった。そこで,本人と相談しながら復職時の課題を明確化し,問題解決方法をその都度確認していった。その結果,8月初旬には1日の外出を実施することが可能となった。その際,移動時の疲労やそれらの翌日への持ち越しが確認されたが,デスクワークは可能であることも確認できた。そして,9月には訪問リハを週2回に変更し,復職後の業務内容は会社と相談した結果,内勤へと変更することが決まり9月27日に訪問リハは終了,10月初旬に復職を達成した。【考察】若年の男性にとって,労働者や夫,父親としての社会的地位や尊厳,名誉が失われることは大きな問題である。また,あらゆる神経難病の中で,GBSが予後良好と言われていても,罹患した方々は常に不安と隣り合わせの状態で自宅退院を迎えていることが容易に予測できる。今回の症例では,入院中から復職という社会復帰の目標が明確に設定されていた。しかしながら,退院直後は自宅内生活を送ることが精一杯であり,外出時には車椅子を使用しなければならない状況であった。そのため,まずは居宅生活の安定を目標としリハビリテーションを実施していった。その中で,徐々に生活が安定すると,可及的早期に復職をしたいというHOPEの変化が認められた。本人は復帰時には仕事への完全参加を希望していたが,病態やより具体的な復職のプロセスを考慮すると,本人との間で課題の明確化と問題解決方法をその都度確認していく必要があった。そのような介入をした結果,利用者の焦燥感は徐々に緩和していったと考えられる。そして,社会的側面や経済的側面も考慮し,可能な限り利用者の地位や名誉,尊厳に配慮した形で目標を共有していけたため,安全な方法や形式での社会復帰が可能であったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法の目的および理学療法士の役割が,身体の機能回復ではなく,個々人の権利・名誉・尊厳の回復であるならば,本症例のような神経難病を有する患者に対し,退院後も居宅サービスとしての支援を行い,社会復帰を実現していくことは大変重要なことであると考えられた。
著者
松本 直人 大西 亮吉 阿部 博
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.6, pp.1-6, 2020-08-27

近年,携帯電話網を通じたデバイスの常時接続が増加している.しかし携帯電話網では,デバイス通信に用いる IP アドレスを地域毎に細かく管理していない.このため全国に展開する大量のデバイスがサーバ接続した時,一般的なサーバ負荷分散処理を経由すると,多数のサーバに地域毎のデータが分散してしまう問題がある.本稿ではデバイス通信時のサーバリクエストにエリア属性を付与することにより,地域に閉じたデータ処理へ集約する仕組みについて考察する.
著者
松本 直人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.8, pp.1-4, 2018-09-20

20 世紀末から続くインターネットの普及に伴い,情報システムを支えるデータセンターも規模拡大が続いている.そのような中でデータセンターでは,サーバー技術の発展に伴う単位面積あたりの熱密度増加も顕著になり,これらが持続可能なデータセンターのサービス提供とサーバー収容の課題となってきている.本稿では,これら高密度化するデータセンターにおけるサーバー等計算機向けの冷却方式について,今後も持続可能に成長を続けるために必要とされる方策について考察する.
著者
松本 直人 尾崎 浩史 星 和保
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-37, no.2, pp.1-4, 2017-05-18

昨今,企業におけるデータ解析ニーズ等の高まりからストレージ容量およびアクセスが増大している.しかし,データ解析基盤をデータセンターおよびパブリッククラウドに構築した場合,データ転送通信帯域のコスト増大が懸念点として出てくる.本稿では,これら課題を解決するため東京都内に敷設済みのメトロファイバーを用いて,低価格で広帯域ストレージネットワークを実現する実証実験を行った結果を報告する.
著者
松本 直人
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-25, no.25, pp.1-3, 2014-05-15

災害発生時に被害状況を把握することは迅速な災害復旧への第一歩です.昨今インターネットではソーシャルネットワークを通じてリアルタイムに災害情報を発信される動きが出てきました.しかし,これら情報にはデマや誤報もあり,また文字情報だけでは言葉の曖昧さや誤字も残されます.本稿では,災害発生時にソーシャルネットワークを通じて発信される写真など視覚情報を元に被害状況を把握する取り組みと,それらを情報共有する災害コミュニケーションの在り方について実例を踏まえて情報共有します.