著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.852-870, 2014-03-01 (Released:2014-03-01)
参考文献数
28

わが国における研究不正の低減に向けた検討に資するため,すでに2回にわたり諸外国の国家研究公正システム(NRIS)の特徴とその背景を比較・分析した。今回は最終報告として,各国における研究不正の定義や情報公開の考え方を整理するとともに,各国の研究公正当局が取り扱う研究不正事案の年平均件数を推定した。また,不正の特徴を比較・分析した。最後に,3回の報告全体を通じた考察を行った。わが国の研究不正の特徴は,欧米先進国と共通性があるが,一方で,アジア諸国の特徴との類似性も一部に見られた。各国のNRIS構築の取り組みには,わが国にふさわしいNRISを構築していくうえで参考になるものが多い。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.222-235, 2013-07-01 (Released:2013-07-01)
参考文献数
6
被引用文献数
5 4

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。データの捏造,改ざんおよび盗用を含む研究不正についての公開情報を収集し,主として研究不正が発生した機関の特徴や研究不正の責任が問われた研究者の役職や年齢構成,研究不正の動機などに着目した分析を行い,わが国の研究不正の特徴,および研究不正低減のための取り組みについて考察を行った。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.156-165, 2013-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
6
被引用文献数
6 9 3

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。筆者は,データの捏造,改ざんおよび盗用を含む科学における不正行為について公開情報を収集し,必要に応じて,不正行為の発覚から,調査,確定までのプロセスを整理することにより,わが国の研究不正の特徴について考察を行った。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.701-709, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
8

博士課程在籍者(一部,修士を含む)を対象とした「移転可能スキル」についての意識調査(約500人が回答)を分析したところ,専門分野7:非専門分野3で専門分野を重視する者が半数を超えた。非専門分野の能力を12種類に分け,自分に「足りない能力」と「博士課程等で身に付けたい能力」は何か質問したところ,語学力を筆頭に,プレゼンテーションやコミュニケーションなど意思疎通・伝達能力,研究計画書・プロポーザル作成能力,プロジェクト管理能力を挙げた回答が多かった。しかし,「倫理」と答えた回答は最低数であった。この結果から博士人材の「倫理」に対する関心は,他の移転可能スキルに比べて低いと考えられる。「科学活動の質の保証」が求められる今日,研究倫理教育の制度的な普及だけでなく,博士人材の意識の向上が求められている。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.379-390, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

「研究不正」は他の法令違反とは異なる原則や特徴を有しているため,「過失」から生じる場合が意外に多く,その対策として各国・地域では研究倫理教育が重視されている。現在,わが国の研究倫理教育は自国や自機関のルールに関するコンプライアンス教育(予防倫理の考え方による教育)が中心であると考えられる。しかし,研究不正の定義や各国・地域の研究公正システムには,各国・地域の国情や,国家イノベーションシステムの違いを反映して,国・地域による多様性が存在する。このような研究倫理における不均一性の存在は,研究活動のグローバル化に伴い研究不正が非意図的に発生するリスクを増大させる。また,研究機関間・研究分野間の移動や研究不正に対する時間的な認識の変化によっても同様のリスクは発生する。したがって,予防倫理による知識教育だけでは,このような非意図的に発生するリスクに十分対応できるのかは疑問であり,若手研究者の育成に当たっては知識に加え,新しい課題や状況に直面したときに適切な行動を選択できる能力を習得することが必要である。このため,博士課程における構造的訓練の実施など,研究倫理教育の指導方法の構造化が必要ではないかと考えられる。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.697-711, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

わが国における研究不正の低減に向けた検討に資するため,文献情報をもとに諸外国の国家研究公正システムの特徴を分析した。研究活動における公正さ(Research Integrity)を確保し,研究不正の低減を図っていく国全体としてのシステムのことを,本報では「国家研究公正システム(National Research Integrity System: NRIS)」と定義する。近年,NRISの比較研究は広く世界的な規模で行われている。そこでまず,先行研究におけるNRISの比較・分類の考え方を整理し,調査対象国のNRISの分類を行ったところ,米国をはじめとする「法的な調査権限を有する研究公正当局のある国」に分類される国は,全体としては少なかった。さらに主要国の研究不正の状況と研究開発やNRISの特徴の関係について俯瞰的な分析を行った。その結果,NRISの検討に当たっては,各国の研究不正の特徴や国情を踏まえ,さまざまな特徴あるシステムを検討していくことが重要であることが示唆された。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.766-781, 2014-02-01 (Released:2014-02-01)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

前報で,55か国・地域の国家研究公正システム(NRIS)をHALレポートの分類にしたがって3つに分類した。本報では各分類ごとに代表的な国を選び,NRISの特徴やその背景を調査・比較した。各国の研究公正当局の有無や法的権限は各分類で異なり,それによってNRISの強みや弱みが存在する。また,同じ分類に属する国でも,研究公正当局の設置形態や機能,システム導入の背景や国情は国ごとに特徴がある。各国のNRISの特徴は,その国のイノベーションシステムの特徴と関連がある。また,研究公正機能を研究公正当局に集約するのか,複数の組織に分散させるのかによっても,特徴が変わってくる。NRISの検討に際しては,自国の特徴や他国との国情の違いを認識する必要がある。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.481-492, 2017-10-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
12

研究倫理教育には,研究者の職制を考慮した研究倫理教育だけでなく,「場」の教育や再教育が必要である。まず,研究実施者に対する研究倫理教育(第1段階)に加え,研究指導者・管理者に対する研究倫理教育(第2段階)や,研究機関の研究倫理教育の責任を担う「研究倫理教育責任者」を継続的・組織的に育成するための教育(第3段階)が必要である。研究者のライフサイクルにはいくつかの転換点があり,各段階で必要となる教育は前もって行われる必要がある。他方,研究を実施する側だけでなく研究を取り巻く「場」の教育(第4段階)も,研究倫理教育の重要な使命である。研究倫理は公正な研究活動の奨励・推進の役割があり,公正な研究活動の保障や研究者の人権への配慮が必要である。「証拠の優越」原則や,不正行為としての「研究妨害」,「研究不正事案の取り扱い」に関するガイドライン等について正しく理解し,研究不正の申し立て等の乱用を防止し,安心して研究活動に取り組める環境を整備することも重要である。また,研究不正の程度を考慮し,研究者に再教育による復帰の機会を与えることも研究倫理教育の重要な役割である(第5段階)。研究倫理教育の機能や教育対象を整理(研究倫理教育の類型学)し,系統的・体系的な教育システムを整備することが求められている。
著者
松澤 孝明 徳永 朋祥
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.156-165, 2013
被引用文献数
9

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。筆者は,データの捏造,改ざんおよび盗用を含む科学における不正行為について公開情報を収集し,必要に応じて,不正行為の発覚から,調査,確定までのプロセスを整理することにより,わが国の研究不正の特徴について考察を行った。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.222-235, 2013
被引用文献数
4

本報告は,研究不正に対する関心の高まりを受け,その低減を図る観点から,わが国の研究不正についてマクロ分析を行ったものである。データの捏造,改ざんおよび盗用を含む研究不正についての公開情報を収集し,主として研究不正が発生した機関の特徴や研究不正の責任が問われた研究者の役職や年齢構成,研究不正の動機などに着目した分析を行い,わが国の研究不正の特徴,および研究不正低減のための取り組みについて考察を行った。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.697-711, 2014
被引用文献数
2

わが国における研究不正の低減に向けた検討に資するため,文献情報をもとに諸外国の国家研究公正システムの特徴を分析した。研究活動における公正さ(Research Integrity)を確保し,研究不正の低減を図っていく国全体としてのシステムのことを,本報では「国家研究公正システム(National Research Integrity System: NRIS)」と定義する。近年,NRISの比較研究は広く世界的な規模で行われている。そこでまず,先行研究におけるNRISの比較・分類の考え方を整理し,調査対象国のNRISの分類を行ったところ,米国をはじめとする「法的な調査権限を有する研究公正当局のある国」に分類される国は,全体としては少なかった。さらに主要国の研究不正の状況と研究開発やNRISの特徴の関係について俯瞰的な分析を行った。その結果,NRISの検討に当たっては,各国の研究不正の特徴や国情を踏まえ,さまざまな特徴あるシステムを検討していくことが重要であることが示唆された。