著者
松瀬 博夫 志波 直人 名護 健 荻野 美佐 梅津 祐一 永田 見生
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.537-541, 2006 (Released:2006-10-26)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

下肢外傷により,治療上患側下肢免荷を余儀なくされた入院患者20 名,平均年齢39.2(20~61)歳を対象とし,DXA法を用いて大腿骨頸部,転子部の骨密度を測定し,健側骨密度に対する免荷側骨密度の低下率を用いて,免荷による骨萎縮率の評価を行った.免荷期間の平均は28.8(7~82)日で,大腿骨頸部の平均骨萎縮率4.9 %,大腿骨転子部は平均3.5 %であった.大腿骨頸部の骨萎縮率と完全免荷期間との相関係数は0.50(p <0.05),同じく大腿骨転子部では0.63(p<0.01)で,回帰直線の傾きは,大腿骨頸部では0.09,大腿骨転子部では0.13と,大腿骨近位部は免荷により1 日で約0.1 %の骨萎縮を来たしていた.
著者
田川 善彦 新田 益大 増山 智之 松瀬 博夫 志波 直人
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.225-236, 2014 (Released:2017-02-15)
参考文献数
55

微小重力下にある国際宇宙ステーション (International Space Station : ISS) では生体の筋骨格系が減弱する. このため種々の対策が実施されているが, 大掛かりな設備となっている. そこで簡便で効果的な訓練法が模索され, 我々のグループではヒトへの電気刺激によるハイブリッドトレーニング (hybrid training : HT) 法を提案し, 地上や微小重力模擬下で効果を検証してきた. 本論文ではHTのISS 内実施に伴い想定される以下の事項を取り上げた. まずシステムの電気刺激条件と含水性刺激電極, 刺激装置と人体通電時の電磁適合性 (electro-magnetic compatibility : EMC) について検討した. 次にHTと人体浮遊時の身体揺動, 日本実験モジュール (Japanese Experiment Module : JEM) に上体を固定した時のISSへの振動的加速度の影響について検討した.
著者
尾方 太亮 高野 吉朗 松瀬 博夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.653-656, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
19

〔目的〕慢性腰痛者に対し長期間の低強度有酸素運動を実施し,疼痛閾値(PPT)の運動前後の変化を検証すること.〔対象と方法〕対象は腰痛が12ヵ月以上ある慢性腰痛者8名とした.測定方法は,腰部と上下肢など身体部位7ヵ所のPPTと,腰部のVisual Analogue Scale(VAS)を介入前・介入後・介入後8週目の合計3回測定した.運動介入内容は,自転車エルゴメーター運動を週2回・8週間の合計16回実施した.〔結果〕介入前後で比較した結果,全てのPPTと腰部のVASが有意に向上していた.介入後8週目の測定では,介入前と比較し,上下肢など4ヵ所のPPTで有意な向上が認められた.〔結語〕定期的な自転車エルゴメーターでの低強度の運動は,慢性腰痛者のPPT向上に伴い,腰痛の軽減が認められた.