著者
板垣 昌幸 猿渡 麗子 渡辺 邦洋
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.410-417, 2002-09-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
8
被引用文献数
5 9

The electrochemical impedance for infinite and finite diffusion processes was described, and the locus of the impedance was discussed through comparison of the experimental results with the theoretical ones. The charge transfer resistance Rct and the polarization resistance Rp were compared with the current i and the slope of the polarization curve for the reduction of K3Fe(CN)6. The physical meanings of Rct and Rp in the diffusion impedance were discussed. It was confirmed that Rct-1 was related to the reaction rate. The theory to apply the diffusion impedance to the analysis of corrosion reaction was revealed.
著者
板垣 昌幸
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.64-68, 2012-02-10 (Released:2012-02-21)
参考文献数
5
被引用文献数
6

Impedance spectroscopy has been used to investigate various electrochemical devices and electrode reactions. The principle of impedance spectroscopy is explained in this article. The relationships between simple circuits and the impedance spectra are revealed using Nyquist and bode plots. Impedance spectra of an electrode/electrolyte interface are obtained as a semicircle on the Nyquist plot. The equivalent circuit for this interface involves the charge transfer resistance and the interfacial capacitance in parallel, and comparison of this circuit with the impedance spectra provides the structural and physical information concerning the interface.
著者
渡辺 邦洋 六川 和宏 板垣 昌幸
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.933-938, 1995-11-05
被引用文献数
5 4

過酸化水素存在下での2,3-ジヒドロキシナフタレンの酸化反応は超微量マンガン(II)により促進され, その生成物とエチレンジアミンの脱水縮合反応により, 発蛍光性の中間体を経てキノキサリン誘導体を生成する.この反応を利用する接触分析法を検討し, 10ppt以上のマンガンの定量法を確立した.本法は溶存酸素の影響を受けず再現性に優れていた.蛍光強度測定は過酸化水素添加後30℃で5分間放置し, 励起波長400nm, 蛍光波長500nmで行った.指示反応試薬であるエチレンジアミンはマスキング剤としても働き, 選択性は極めて優れていた.2,3-ナフトキノンとエチレンジアミンからなる中間体は400nmと450nmにピークを有する2成分であることが明らかになり, これらの中間体を経て最終生成物に至る反応スキームが検討された.
著者
渡辺 邦洋 小川 裕作 板垣 昌幸 常盤 和靖
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.163-169, 2006-03-05

必要試料量がnlレベルであるキャピラリー電気泳動法により,高温酸化物超伝導体中のTlの価数分析法を開発した.四ホウ酸ナトリウム十水和物を泳動液に用い,アコイオン自体に紫外吸収を示すTl(I)はTl^+として印加電圧25.0kVで泳動させ,波長215nmでUV法により直接検出した.塩酸に溶解させているTl(III)はTlCl_6^<3->として印加電圧-30.0kVで泳動させ,波長242nmで直接検出した.共存イオンはイミダゾールを用い,間接紫外吸光法により定量した.実試料は,Tl系高温酸化物超伝導体0.20mgを0.01MのHClに溶解させて用いた.測定した2種類の試料はともに97%がTl(III)という結果になった.本法を用いることで従来の方法よりも必要とする試料量を約20分の1に下げることができた.
著者
四反田 功 板垣 昌幸 河合 大輔 渡辺 邦洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.183-189, 2008 (Released:2008-03-24)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

アンペロメトリックバイオセンサーの電流応答をウェーブレット変換を用いて解析した.グルコースバイオセンサーと過酸化水素バイオセンサーの2種類を作製した.グルコースバイオセンサーには,グルコースオキシダーゼをポリイオンコンプレックスで固定化した電極を用いた.アンペロメトリーによってグルコースを添加したときの酸素還元電流の減少値を測定した.測定した電流応答をウェーブレット変換したところ,ノイズに埋もれた応答を抽出することができた.シグナルノイズ比は最大で9倍に向上した.ウェーブレット変換を施すことでセンサーの検出下限は3倍になった.過酸化水素バイオセンサーには,西洋ワサビペルオキシダーゼをポリピロール膜によって固定化した電極を用いた.過酸化水素の応答は,ポリピロールの還元電流値から評価した.過酸化水素バイオセンサーの検出下限を5倍向上させることができた.