- 著者
-
林 美鈴
幾世橋 美由紀
渕辺 誠
垣花 学
上原 健
宮城 淳
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.19-24, 2018
<p>症例は83歳,女性.胸腔鏡補助下右上葉切除術および右中葉部分切除術を施行された.ダブルルーメンチューブ(DLT)を挿管する際,挿入抵抗があった.術中32Fr左用DLTを使用して分離肺換気を行い手術終了後抜管した.術当日は呼吸状態に異常を認めなかったが,術翌日より体動時の喘鳴を認め,術後3日目に高度の声門下狭窄による呼吸不全が進行し再挿管した.DLT挿管による気道損傷は数多く報告されているが,今回われわれは遅発性に声門下狭窄をきたした症例を経験した.DLTと気管支ブロッカーの比較や,抜管後上気道狭窄の評価・治療に関する文献的考察を加えて報告する.</p>