34 0 0 0 情報化社会におけるガバナンスの経済理論的研究
本研究ではインターネットに代表される情報化技術の進展が経済的取引のガバナンスにどのような影響を与えるのかを、近年発展してきた経済学的手法(情報の経済学、組織の経済学、メカニズム・デザイン論、ゲーム理論など)を用いて分析することを目的としている。全研究期間を通じ研究会を開催することで、情報技術の進展と拡大がどのような経路をたどって、どのような形で経済活動や経済組織に影響を与えるかについて以下のいくつかの論点に分類して分析することができた。1.情報化革命とコーポレートガバナンス--情報化技術が進展することによって、情報量の爆発、経済のスピード化、グローバル化などの現象が発生し、それによって従来とはことなるガバナンス構造を持つ経済組織が活動できるようになった。2.アーキテクチャーとモジュール化--公開されたアーキテクチャーに基づいてインターフェイスを標準化することで、各分業をモジュール化することが可能になる。それによって、分業間の取引に市場原理が導入され、より分権的な分業が可能になる。3.モジュール化とオープン化--モジュール化はバンドリングやカプセル化の総称、オープン化はインターフェイスの共通化の動きを表す。カプセル化はアーキテクチャーを所与としたときに内生的に説明できることが示された。4.ディジタル化--財・サービスのディジタル化が進むことで、複製を作ることが容易になり、財・サービスを提供する初期費用が回収できないために、事前のインセンティブと事後の効率化が矛盾してしまっている。5.コーディネーションの電子化--情報技術の進歩はプログラムによるコーディネーションを可能にさせた。
2 0 0 0 OA デジタル通貨時代の金融経済 パネル討論Ⅰ
- 著者
- 柳川 範之 奥野 聡雄 松島 斉 齊藤 誠
- 出版者
- 一般社団法人 日本経済学会
- 雑誌
- 現代経済学の潮流 (ISSN:27582256)
- 巻号頁・発行日
- vol.2022, pp.183-224, 2023 (Released:2023-07-24)
2 0 0 0 OA Economic growth and international trade
- 著者
- 柳川範之 [著]
- 巻号頁・発行日
- 1993
2 0 0 0 IR 講演 契約・組織の経済学と法律学〔含 コメント〕
- 著者
- 藤田 友敬 柳川 範之
- 出版者
- 北海道大学大学院法学研究科
- 雑誌
- 北大法学論集 (ISSN:03855953)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.5, pp.1884-1831, 2002
1 0 0 0 OA 関税回避目的の直接投資 寡占市場におけるその経済厚生への影響
- 著者
- 柳川 範之
- 出版者
- 日本経済学会
- 雑誌
- The Economic Studies Quarterly (ISSN:0557109X)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.4, pp.353-366, 1990-12-20 (Released:2007-10-19)
- 参考文献数
- 19
Brander and Spencer (1984a) showed the new aspect of the tariff policy in the imperfectly competitive market (rent shifting). This paper examines how welfare is affected and the policy fails when the direct investment is induced by that tariff policy. It is shown, among other things, that (a) welfare of the host country is lowered even compared to the free trade regime when entry is restricted, that (b) with free entry of firms, welfare of the host country is enhanced compared to the free trade regime, and that (c) if the traiff war occurs, welfare of the both countries are always lowered compared to any regimes.