著者
松島 斉 照山 博司
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.17-49, 2013-04-01 (Released:2022-03-25)
参考文献数
7

複数種財をオークションによって売却する状況について実験をおこなった結果を,効率性,売り手収入,入札者利益などの観点から説明する.2 財を2 入札者によって競う取引状況を,逐次一位価格入札,時計入札,VCGメカニズムについて比較し,アンケート調査もおこなった.各入札者は,相手の金銭的利得構造を知らないことを仮定して,代替的評価と補完的評価の様々な組み合わせについて実験した.アンケートによる意識調査とは対称的に,実験においては,VCGメカニズムはおおむね好結果であるが,時計入札は Exposure Problem の弊害が顕著であることを示した.
著者
松島 斉 尾山 大輔 萱場 豊 山本 裕一 佐野 隆司 中島 大輔 安田 洋祐 早川 仁 岡崎 哲二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の概要は以下の通りである。デジタル技術進歩とビジネス利用が実体経済に与える影響について、理論、実験、歴史学の視点から分析する。予測データが豊富に利用できるデジタル環境において、経済主体はその恩恵を受ける一方、複雑な判断を強いられる。そのため限定合理性の考察が重要になる。ブロックチェーンの普及によって、契約の自動化が進展する。その結果、ガバナンスが新たに問われる。大容量の情報通信が可能になったことで、携帯事業のみならず、全産業にわたって電波利用をいかに配分するかが重要課題になった。本プロジェクトは、ゲーム理論、行動経済学、実験経済学、歴史分析を駆使して基礎研究を発展させ、これらに取り組む。