著者
川越 敏司
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.15-25, 2019-01-18 (Released:2019-01-19)
参考文献数
30

実験経済学においては被験者の選好統制を行うために報酬を支払うが,これまで使用されてきた様々な報酬支払法のどれにも問題があり,これらの問題を回避するには1回限りの実験を行う必要があることを提案する.
著者
藤原 正寛 瀧澤 弘和 池田 信夫 池尾 和人 柳川 範之 堀 宣昭 川越 敏司 石原 秀彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究ではインターネットに代表される情報化技術の進展が経済的取引のガバナンスにどのような影響を与えるのかを、近年発展してきた経済学的手法(情報の経済学、組織の経済学、メカニズム・デザイン論、ゲーム理論など)を用いて分析することを目的としている。全研究期間を通じ研究会を開催することで、情報技術の進展と拡大がどのような経路をたどって、どのような形で経済活動や経済組織に影響を与えるかについて以下のいくつかの論点に分類して分析することができた。1.情報化革命とコーポレートガバナンス--情報化技術が進展することによって、情報量の爆発、経済のスピード化、グローバル化などの現象が発生し、それによって従来とはことなるガバナンス構造を持つ経済組織が活動できるようになった。2.アーキテクチャーとモジュール化--公開されたアーキテクチャーに基づいてインターフェイスを標準化することで、各分業をモジュール化することが可能になる。それによって、分業間の取引に市場原理が導入され、より分権的な分業が可能になる。3.モジュール化とオープン化--モジュール化はバンドリングやカプセル化の総称、オープン化はインターフェイスの共通化の動きを表す。カプセル化はアーキテクチャーを所与としたときに内生的に説明できることが示された。4.ディジタル化--財・サービスのディジタル化が進むことで、複製を作ることが容易になり、財・サービスを提供する初期費用が回収できないために、事前のインセンティブと事後の効率化が矛盾してしまっている。5.コーディネーションの電子化--情報技術の進歩はプログラムによるコーディネーションを可能にさせた。
著者
川越 敏司
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-16, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)
参考文献数
34

本研究では,リスク選好・時間選好・社会的選好が互いに独立であるという属性間の独立性を検証する実験を行い,リスク選好と時間選好,リスク選好と社会的選好が関連した設問において属性間の独立性が成り立たないことを見出した.その上で,こうした選択の傾向性を説明するために,リスク選好・時間選好・社会的選好・認知能力が相互依存したモデルに対する構造推計を実施し,実験結果を説明可能であることを示した.
著者
松井 彰彦 金子 能宏 川越 敏司 関口 洋平 田中 恵美子 西倉 実季 福島 智 森 壮也 両角 良子 山下 麻衣 澤田 康幸 遠山 真世 井伊 雅子 石川 竜一郎 岡崎 哲二 澤田 康幸 清水 崇 遠山 真世 長江 亮 星加 良司 山下 麻衣 臼井 久実子 加納 和子 川島 聡 河村 真千子 倉本 智明 栗原 房江 坂原 樹麗 佐藤 崇 瀬山 紀子 長瀬 修 山森 哲雄
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2007

いわゆる「障害者」のみならず、長期疾病者や顔にあざのあるユニークフェイス等、制度と制度の狭間に落ち込んでいる人々にも焦点を当て、彼らが直面する社会的障害の共通項を探った。ゲーム理論や障害学を用いた理論研究に加え、障害者団体や地方自治体を通じた障害当事者およびその家族への調査、企業を対象とした調査、長期疾病者を対象とした調査、ネパールやフィリピンでの海外調査を展開し、報告書にまとめた。
著者
川越 敏司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.44, pp.1-9, 1996-05-21
参考文献数
8

本論文では、急速に発展しつつあるInternetを通じた電子取引の時代に向けて、そうした取引の安全性や正当性を保証するための暗号化プロトコルについて、ゲーム理論の立場からその特質と限界を提示し、こうしたプロトコルデザインとゲーム理論との協調作業が重要であることを論じる。プロトコルデザインにおいては、プロトコルを通じて送られる通信中のメッセージの改ざんを防ぐことで、安全性や正当性を保証するプロトコルを考えることを目標としているが、こうしたプロトコルにおいて送られるメッセージがプロトコルに参加するものの真の情報を含んでぃるがについては何の保証も与えられない。ゲーム理論におけるメカニズムデザインでは、そのメカニズムに参加するプレイヤーの送るメッセージが、真の情報を含むものであることを保証するようなメカニズムを構築することを目標としているが、このメカニズムは参加するプレイヤーがすべて合理的であること、すなわち多項式時間Turing Machine以上の計算能力を持っていることを前提としている。本論文では、こうした異なる目的を持つプロトコルデザインとメカニズムデザインの成果を互いに補間しあうことにより、よりよい取り引きメカニズムを開発し得るということを主張する。具体的には、公開鍵交換におけるユーザー認証の問題と、鍵共有プロトコルを用いたマルチパーティプロトコルを取り上げる。We insists that there is a complementary relation between designing secure protocols using cryptgraphy and designing incentive compatible mechanism using game theory when we aim to build secure and incentive compatible protocols. Using the main results of protocol design, we can build secure message transaction protocols in which all players cannot break other person's secret under some computational constraint, but we have no ways of forcing players to reveal their real information by means of these protocols or give players incentive to reveal their real information. On the other hand, using the main result of game theory we can build incentive compatible mechanism in which all players should reveal their real information, but this machanism require all players to be rational or to have computation power more than Turing Machine has. We show that collaborations between protocol design and machanism design in game theory is beneficial for both research field and can build more secure and incentive compatible transaction machanism. In this paper, we consider user authentification problem in exchanging publickey and multiparty protocol using secret sharing to show needs for collaborations between cryptgraphy and game theory.
著者
川越 敏司
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.12, pp.15-25, 2019

<p>実験経済学においては被験者の選好統制を行うために報酬を支払うが,これまで使用されてきた様々な報酬支払法のどれにも問題があり,これらの問題を回避するには1回限りの実験を行う必要があることを提案する.</p>