著者
林 大介 柴山 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.333, pp.1-6, 2008-11-27
参考文献数
6

水中や地中など,電波の使用が困難な環境における無線通信の手段として,音波を用いたMIMO通信の実現に向けた研究を行っている.MIMO(Multiple Input Multiple Output)とは,複数の送受信素子を用いることによって,通信速度や信頼性の向上を実現する方式であり,近年電波を用いた無線通信の分野において盛んに研究されている.我々は音波を用いた通信に本方式を応用し,音響通信の通信速度向上を目指したいと考える.本報告では,その実現に向けた基礎的検討として,伝搬状況の異なる5つの環境においてチャネル応答を測定し,その環境においてMIMO通信を行った状態をシミュレーションにより検証した.音波を用いたMIMO通信の特徴や問題点などについて報告する.
著者
柴山 秀雄 福永 一保 城戸 健一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.152-160, 1984-03-01 (Released:2017-06-02)

This paper proposes a new pulse discharge sound source for acoustical measurements and discribes the construction and acoustical characteristics of the source. Existing pulse sound source generate sound sources generate sound pluse by a spark discharge using static energey in the charged condenser. The sound source proposed in this paper uses electromagnetic energy in a transformer. The current in the primaty turn of the transformer is cut off suddenly and a spark discharge is generated between the electrodes connected to the secondary turn. The timing of discharge is easily controlled by the electronic switch in the primarty turn. The duration of the sound pluse is very short and controllable and the power spectrum of the sound covers very wide frequencies. The extent of the nonlinearity is very small and the nondirectivity is realized. The reproducibility is good. The pluse discharge sound source proposed is useful for linear acoustical measurements
著者
武藤 憲司 伊藤 幹也 荒井 貴大 高野 邦彦 八木 一夫 江口 健太郎 柴山 秀雄 陳 国躍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.1098-1101, 2008-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
1

MRI検査において,被験者は厚い壁の磁気遮へいのための閉鎖空間に長時間おかれる.高磁場のMRI装置の駆動音は100dBを超えることもあり,騒音の不満などが指摘されている.しかし,いくつかの音圧測定結果だけで音の伝搬の様子の報告例はない.本論文では,検査室内のMRI検査の被験者が横たわるテーブル上の空間の音場の可視化を図る.非磁性のプローブを製作して音響インテンシティを測定した結果を用いて音の伝搬の様子を示す.
著者
山田 和幸 柴山 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.501, pp.21-26, 2003-12-11
被引用文献数
1

音響処理が施されていない部屋に存在している多くの物から反射した音波によって生成される音場は複雑になる.反射や吸音は材料表面で起きているが,反射係数は主に物体の大きさや形状に依存している.音響特性の多くは音響インテンシティ法や音響ホログラフィ法を用いることにより視覚的に実証できる.音響インテンシティ法は遮音壁の音響特性を効果的に測定できるので,アルミニューム,合板や金属製の吸音材で製作したパネル遮音壁について音響インテンシティを測定した.測定は無響室の中で行い,遮音壁の有無による場の音響インテンシティ結果から,目的物体からの反射成分を検出した.
著者
真壁 義明 柴山 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.99, no.260, pp.41-48, 1999-08-27

本研究では, 非線形パラメータを含むヘルムホルツ共鳴器を考える. ヘルムホルツ共鳴器は, 音響抵抗, イナータンス, コンブライアンスを素子とする等価回路を構成することが一般である. ヘルムホルツ共鳴器が粘性材料等で構成されている場合には, 等価回路は, 時変, かつ非線形の素子を含むことが考えられる. そこで, 本研究は, 非線形パラメータを含むヘルムホルツ共鳴器から, 非線形微分方程式を導き, それをVolterra級数により級数展開することで, 共鳴器が有する非線形成分が出力に及ぼす影響を, 入力の多重積とVolterra核と呼ばれるパラメータの線形結合により記述した. その結果, 微分方程式の解は, それを級数展開して得られた出力と一致した。
著者
早野 邦彦 柴山 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.9-14, 1997-04-11

非整数微分方程式を用いることによってノイズ信号の周波数特性を少ないパラメータで表現する方法について述べている。身の回りにあるノイズ信号として、風の音やフライトノイズ、交通騒音などがある。このようなノイズのスペクトルは、その特徴を3つに分けることができる。低い周波数領域では一定か周波数とともに増加し、特性周波数ω_0でピークに達するか折れ曲がり、それ以上の高い周波数領域では周波数とともに減衰する傾向にある。ラプラス変換によって、このようなスペクトルは非整数の微分方程式であらわすことができる。このとき、方程式のパラメータはg,q,ω_0の3つである。