著者
林田 達也 柴戸 靖志 浜地 勇次
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.197-201, 2010 (Released:2010-04-25)
参考文献数
30

結球アブラナ科作物であるハクサイおよびキャベツの結球葉と収穫残さである外葉のCa供給源としての有用性を明らかにする目的で,化学形態別Ca含量を部位別に分析し,その特性について明らかにした.ハクサイ‘無双’,キャベツ‘金系201’における総Caおよび水溶性Ca含量は収穫残さである外葉のほうが,可食部である結球葉,主茎より高かった.両作物の結球葉における水溶性Ca含量はツケナの40%以下であった.しかし,ハクサイおよびキャベツの外葉における総Caに占める水溶性Ca含量の比率は,結球葉より高く,キャベツの外葉における総Ca含量および水溶性Ca含量はそれぞれツケナの2.1および2.9倍であり,ハクサイの外葉の総Ca含量および水溶性Ca含量はツケナと同等であった.以上のことから,ハクサイおよびキャベツの収穫残さである外葉はCa供給源として有望であることが示唆された.
著者
月時 和隆 林 三徳 柴戸 靖志
出版者
福岡県農業総合試験場
雑誌
福岡県農業総合試験場研究報告 (ISSN:13414593)
巻号頁・発行日
no.24, pp.130-133, 2005-03

ホオズキ新品種'姫提灯'は、着果率が極めて高い'京築地域在来系統A'と、宿存ガクの形状が良好な'京築地域在来系統B'を交配した組み合わせの中から選抜し育成した。'姫提灯'は宿存ガクの先端が尖り、表面の凹凸が少なく良好な形状をしている。宿存ガクの大きさは5cm前後であり、既存の主要品種'タンバホオズキ'と同等である。下位第6節から第20節の着果率は90%と'タンバホオズキ'よりも高く、着果が優れる。切り花長は'タンバホオズキ'や親系統と同等かやや長く、切り花品質が優れる。
著者
奥 幸一郎 森山 友幸 小熊 光輝 井手 治 龍 勝利 柴戸 靖志
出版者
福岡県農業総合試験場
雑誌
福岡県農業総合試験場研究報告 (ISSN:13414593)
巻号頁・発行日
no.28, pp.50-55, 2009-03

長ナス「筑陽」の促成栽培において暖房用燃料消費量を削減しつつ、収量および品質を維持できる温度管理技術を確立することを目的として、高昼温低夜温管理とその開始時期について検討した。その結果、主枝摘芯前の11月上旬から高昼温低夜温管理すると慣行温度管理より主枝の生育が抑制され、総収量が少なくなった。主枝摘芯開始後の12月上旬から高昼温低夜温管理すると慣行温度管理と比較して、主枝の生育は同等であり、総収量も同等となり、燃料消費量は慣行温度管理の約40%を削減することが可能であった。以上のことから、長ナス「筑陽」の促成栽培において、収量及び品質を維持しつつ、暖房用燃料消費量を削減するためには、主枝摘芯開始後から高昼温低夜温管理を開始することが適当であることが明らかとなった。