著者
柴田 光彦
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.39-56, 1999-03-15

近世の墓碑銘において、文集掲載の碑銘と実際の墓の碑銘とは多くの場合、若干の異同があるのが普通であるが、しかし一般には、気づかぬままに文集と墓のそれとを同一のものとされている場合が多い。本稿では異同の多い例として「伊能忠敬」、実地検分してもなお間違えやすい程に異同の少ない例として「澁江抽齋」を例に取りあげて検証を試みた。
著者
柴田 光彦
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.37-62, 2001-03-15

滝沢馬琴は寛政十年 (一七九八) に累代の墓を修復建立のために自筆の『滝沢氏墓誌』を記し、その墓の図まで書き残している。また後年著した家譜『吾仏之記』にも墓地改葬の記事があり、これは影印・翻刻共にあって、既に世に知られているものである。ここでは前者を新たに翻刻紹介し、後者の記事を合わせ参照して、東京文京区の茗荷谷の菩提寺、深光寺の墓地に現存する滝沢家の墓碑群の銘文について考察を試みた。